日本科学未来館で「ロボット展」がスタート! トレンドは「こころ」に寄り添う癒やしロボット?

東京・お台場の日本科学未来館で、ロボット展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」がスタート。最先端のロボットが見られるだけでなく、「私たち人間っていったい何?」と考えたくなる展覧会です。

入口
日本科学未来館 特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」


東京・お台場の日本科学未来館で、ロボット展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」がスタート。3月18日~8月31日の期間、誰もが知っている有名ロボットから本邦初公開となる最新ロボットなど約90種130点が集結しています。
 

最先端のロボットを見るだけではなく、ロボットとの関係から「私たち人間っていったい何?」と考えたくなる展覧会。見るモノ、体験するモノいっぱいの中から、見どころをご紹介しましょう。
 

人がロボットに憧れたのはなんと〇〇時代!

ロボットの展示
おなじみのロボットもずらり

会場は、予想以上に長いロボットの歴史紐解く年表、そして実際に開発されてきた歴代ロボットたちの展示コーナーからスタート。1973年に開発された、世界初の人型知能ロボット『WABOT-1(早稲田大学 加藤一郎研究室、大照完研究室、白井克彦研究室、内山明彦研究室)』や『AIBO(ソニーグループ)』『ASIMO(本田技研工業)』『Pepper(ソフトバンクロボティクス)』といったおなじみのロボットもずらりと並んでいます。
 
年表
ロボットへの憧れはこんなに昔から!


「ロボット」という言葉はチェコの作家カレル・チャペックが1920年に生み出したものだそうですが、驚いたのは年表の一番最初。紀元前の文学作品『イーリアス』や『ギリシャ神話』『列子』に、人型ロボットの先駆けともいえる黄金や象牙の命を吹き込まれた人形がでてくるのだそう。私たちの想像を超える遥か昔から、人間はロボットへの憧れを持っていたことがよく分かります。
 

ココロが耳にでちゃう

ワスリート
膨大な数のパーツで構成『Wathlete(早稲田大学理工学術院高西淳夫研究所)』


ロボット義足や義手など体の一部をロボットに置き換える“人とロボットの一体化”も進んでいますが、人間の体のようにロボットをしなやかに動かすには、膨大な数のパーツが必要だそう。
 

数え切れないほどの部品が見えるロボット前にすると、私たち人間の動きがいかに複雑で奇跡的であるかを実感。またもう1本ロボットの腕を装着しても、慣れれば体に同化させる能力が人間には備わっているという研究結果もあり、「どこまでがロボットで、どこまでが人間なのか。人間の体とは何なのか」を考えさせられます。
 

ネコミミ
『necomimi(ニューロスカイ)』体験コーナー


中でもネコの耳がついたカチューシャを頭に装着すると、心の動きを読み取って、感情を耳の動きで表現する『necomimi(ニューロスカイ)』は注目。耳クリップとおでこにつける脳波センサーから感情が伝わり、集中していると耳がピンと立ち「ニャー」となり、リラックスしていると耳がくたりと寝て「ゴロゴロ」となり、集中とリラックスが同時に高まると耳がバタバタと動きます。
 

体験したところ、筆者のネコミミは落ち着きなくそわそわぐるぐる……。耳の可愛さにほっこりリラックスし、と同時に最先端の技術に興奮したのが、ロボットに伝わったのでしょうか。
 

トレンドは心に寄り添うロボット?

さてロボットというと、人間の生活を便利にしてくれる最先端の存在、というイメージですが、最近のトレンドは一味違うよう。さまざまな感情に揺れ動く人の「こころ」に寄り添う多様なロボットが生まれています。
 
こころって、なんだ?
ロボットのトレンド? 癒される存在がいっぱいの「こころって、なんだ?」ゾーン


例えば「弱いロボット」というジャンル。単体では非力だけれど、人間がサポートすることで何かを成し遂げられるロボットです。
 

『ゴミ箱ロボット(豊橋技術科学大学 ICD-LAB)』は自分でゴミを拾うことはできませんが手伝ってくれる人を探し、弱々しい声を発します。「ゴミを捨ててほしいのかな?」と察してゴミを拾ってあげると、お辞儀をするという、ちょっと他力本願、でもやり取りの中で和ませてくれる存在です。
 

パロ
『アザラシ型ロボット・パロ(産業技術総合研究所)』


『アザラシ型ロボット・パロ(産業技術総合研究所)』は、癒やしの効果を人に与えるセラピーロボット。タテゴトアザラシの赤ちゃんがモデルで、まばたきや手足を動かし、喜びや怒りを表現します。
 

動物を飼えない病院や高齢者施設などに導入。デンマークでは鬱病などの治療の場で医療機器として活躍しているそうです。ちなみになぜアザラシの赤ちゃんなのかというと、犬や猫だと誰でも見たことがあり好き嫌いが分かれるけれど、タテゴトアザラシとなるとなかなか見る機会もなく、誰もが素直に「かわいい!」と受け入れられるからだそうです。
 

この他にも言葉足らずだったり、なでると応えるしっぽだけのロボットなど、人が手を差し伸べることで活動し、結果人間が癒やされるロボットが集結。心に優しいロボットがトレンドのようです。
 

『きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?』は8月31日まで。最先端のロボットを見るもよし、ロボットを知ることで人間について考えるもよし、切り口満載なので子どもたちの夏休みの自由研究にもぴったりです。



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特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」

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