NEXERが運営する日本トレンドリサーチは「ブラック校則」に関するアンケート調査結果を公表しました。同調査は、全国の男女640人(30代以下・40代・50代・60代以上の各年代男女各80名)を対象に、インターネット上で実施されました(調査期間:2022年3月16~22日)。
都立高校で廃止になる5つの「ブラック校則」について、どう思う?
4月から都立高校で廃止される5つの「ブラック校則」について、「『高校生らしい』等、表現があいまいで誤解を招く指導」「下着の色の指定」「頭髪に関する届け出の提出(地毛証明書)」の3つの項目では「賛成」と回答した人の割合が最も多くなりました。
一方、「髪を一律に黒くする」という校則の撤廃については、「賛成」「反対」「どちらともいえない」のそれぞれがほぼ同じ割合になりました。
「校則」はなくすべき? 8割が「校則はあった方がよい」と回答
高校の校則については、81.4%の人が「ブラック校則には反対だが、校則はあった方がよい」と回答しました。
回答者からは、「ブラック校則自体は理不尽なものなので反対だが、校則が全くないと何でもありの風潮にもなってしまうので、最低限の校則はあったほうが良いと思う(40代男性)」「自己判断できる人ばかりではないと思うので、常識の範囲内での校則はあってもいいと思う(40代女性)」「ある程度の規律は必要だが、個人の個性まで拘束するのは反対(70代女性)」などの理由が上げられました。
20代からも「ブラック校則は反対、でも校則は必要」の声
また、20代の人からも「ブラック校則は、生徒の心理的な負担を大きくするだけであるので理不尽な規則は撤廃されるべきだと思うが、社会に出ればルールは数多く存在するため、そのルールを守っていけるような人間を育てるためにも理に適った校則は必要である(20代男性)」「校則が厳しすぎたり、ゆるすぎたりすると、生徒同士でいじめに発展したり問題を起こすことがあるから(20代女性)」など、健全な学校生活を守るためにも、ある程度の校則は必要、との声が寄せられました。一方、「校則はない方がよい」と回答した9.8%の人からは、「自立した人になるためには必要ない(70代男性)」「髪を染めてたりアクセサリーをしていても高校で勉強はできるし、校則で押さえつけると反発したくなる気持ちが強くなるから(30代女性)」「法律があるのだからそれでいい(50代男性)」などの理由が上がりました。
「女性はショートカットかおかっぱ」。「ブラック校則」経験談
自身の通っていた高校に「校則があった」と回答した508人のうち、「『ブラック校則』があった」と回答した22.8%の人に、具体的な内容を聞きました。
まず目立ったのは頭髪に関する校則。「全員女性はショートカットかおかっぱにしなくてはいけない。制服の上着の襟に髪が当たったら校則違反(40代女性)」「髪の毛が耳にかかってはいけない(40代男性)」「天然パーマもストレートにしないといけない(40代男性)」などの回答が集まりました。
「眉毛、腕毛足毛は卒業するまで剃ってはいけない」!?
制服に関しても「コートやジャケットを冬場でも着用禁止だった(50代女性)」「男子のズボンはタック禁止でストレートのみという校則で、運動部は腿が入らず泣いていました(60代男性)」「外出時は制服・制帽・制靴。頭髪は1センチ以下の短髪(50代男性)」などの校則が上がりました。ほかにも、「女子高で、男女交際が禁止だったので、文化祭・体育祭のときは、男兄弟を連れてくるときは前もって許可証を取らなくてはいけなかった(50代女性)」「父親以外の男性と一緒に歩いてはいけない(60代男性)」など、男女交際に関する校則のほか、「眉毛、腕毛足毛は卒業するまで剃ってはいけない(40代女性)」「自転車の切り替え装置が3段まで。髪は短髪。靴下の色が地味な色(赤・黄禁止)(60代男性)」など、いわゆるブラック校則は、あらゆる面で存在するようです。
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