【保護者が突撃!】 「クラス替え」で人間関係は配慮される? 担任の配置はどう決まる?

学校教育の気になることや素朴な疑問を保護者目線でどんどん取材&解決していく【保護者が突撃!】シリーズ。今回は、「クラス替え」と「担任の配置」の本当のところを聞いてみました。

児童や生徒と先生の間でどんな教育活動が行われているのか、見えない部分が多い学校という世界。子どもを預けているからこそ知りたいことがたくさんあるものの、聞きにくい……。そこで学校教育の気になることや素朴な疑問を保護者目線でどんどん取材&解決していく【保護者が突撃!】シリーズ。今回は、「クラス替え」と「担任の配置」の本当のところを聞いてみました。
 

成績?人間関係?クラス替えでもっとも重視されるポイントは何でしょう
 

成績順?クラスの割り振りと担任の配置はどうやって決められている?

どんな友達と一緒になるか、担任の先生は誰なのか、クラス替えのたびにそわそわドキドキ。何年も続けて同じクラスになる友達がいたり、相性が良かった担任と離れてしまったり……。誰がどうやって決めているのか、気になるクラス替えについてA先生に聞いてみました。
 

「一般的にクラス替えは、成績がポイントになります。クラスによって学力差が出ないよう、学年末に行われるまとめのテストなどをもとに順位をつけ、均等に割り振っていきます。その後、たとえば運動会や音楽発表会といった行事の際にクラスによって差が出ないよう、リレーの選手やピアノが弾ける子などが偏らないように調整していきます」(A先生)
 

では、担任の先生はどうやって決まるのでしょうか?
 

「新しいクラス編成は2月末~3月頃にかけて行われますが、同じく教員の異動が決まる時期でもあります。全ての教員の異動が決定する3月下旬に、学年を担当する教員を配置。そこから微調整に入るような流れです。ちょっと手のかかりそうな子がいるクラスはベテラン教員や学年主任レベルの教員、比較的扱いやすいクラスは若い教員というように、総合的に判断し、バランスをみながら校長が配置を決定します」(A先生)
 

相性が悪い先生、トラブルが多い友達関係……どこまで配慮される?

最終的には校長が総合的に判断して子どもたちや担任の配置をするとのことですが、トラブルになりがちな人間関係などは配慮されるのでしょうか?
 

「学校側もできればトラブル要素は減らしておきたいところなので、あえて問題が起こりそうな人間関係を一緒にすることはないと思います。相性の悪いクラスメイトと距離を置きたいなど、学校生活に支障が出そうで心配な場合、要望は伝えておくといいでしょう。全員の希望を受け入れるとクラス編成が成り立たなくなってしまうので、受け入れてもらえない場合もあるかもしれませんが、可能な限り配慮すると思いますよ」(A先生)
 

かつては2年間あるいは3年間、同じクラスを継続することが一般的でした。今でも自治体によっては3年に1度しかクラス替えがないケースもあるようですが、1年ごとにクラス替えをする学校が増えましたよね。
 

「個人的には、クラス替えは頻繁にあったほうがいいと考えています。1年に1度はちょうどいいのではないでしょうか。長期間固定されてしまう人間関係の中では、しんどくなったときに逃げ場がなくてつらいですよね。良くも悪くもいろんなタイプの教員に出会うチャンスにもなります」(A先生)
 

今年は「ハズレかも…?」と感じても子どもに言ってはいけない

小学校の保護者を何年か経験すると、担任の先生を比較してしまいがちです。やはり担任のスキルの差は、クラスに影響するのでしょうか。
 

「個人的な資質や経験年数などによる差は確かにあると思います。とはいえ、すべての教員はプロで、一定レベル以上の指導ができるように訓練した上で教壇に立っています。若い教員には指導教員が付きますし、管理職の見守りもあるので、ある程度は信頼して任せたいところですよね」(A先生)
 

中には崩壊寸前のクラスがあったり、先生によっては、子どもに対する態度に違和感があるようなケースも見かけますが……。
 

「子どもが学びたいという気持ちを引き出し、興味を持てるような教材を提示し、できた時には褒めるというやり方ができていれば、学びも自然と付いてくるものです。小学校は特に、子どもたちとの信頼感ができているかどうかがいろいろなことに影響します。必要以上に締め付けなくても、きちんと回っているクラスはありますが、そうでないクラスがあるのも事実。大きな声を出したり、厳しい罰則を課したりする教員も確かにいるようですね。一見まとまっているクラスに見えても、単に教員が怖いからやらされているだけ、なのですが……」(A先生)
 

特に新学期、新しい担任が決まったタイミングで親がやりがちなNG行動が「今年の担任はハズレ」発言なのだとか。
 

「よくあるのが、あまり評判が良くない担任だった時に『今年の担任はハズレだわ』などとポロリと口にしてしまうケース。子どもは親の言葉を素直に聞き入れてしまうので、新しいクラスのスタート時点から担任との関係を築くことができなくなってしまいます。ある子にとっては合わなかった先生でも、わが子にはそうでない可能性もあります。子どもの集団と教員との関わりから生まれるものなので、うまくいかなかった年があったとしても、わが子の学年ではうまくいくかもしれません」(A先生)
 

逆に子どもが教員の悪口を言った時や、前年の担任と比べてネガティブな発言をした時、どのように受け止めるのが良いのでしょうか。
 

「子どもの言い分を聞いてあげることは重要ですが、同調しすぎるのはおすすめしません。いろいろなタイプの教員がいることを伝えて、うまく誘導してあげたいですね。出鼻をくじくことがないように、4月の間は決めつけるような発言は避けて、様子を見るようにしましょう」(A先生)
 

いろいろな刺激を受けて幅広い学びや育ちができるのが理想的だというA先生。子どもはさまざまなタイプの教員にぶつかり、関わりながら多くのことを学んでいくもの。社会に出たら気が合わない人ともうまくやっていかなければならないこともあります。学校での集団生活は、そのための練習、訓練をする場なのだと考え、一喜一憂せずにおおらかに見守りたいですね。


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