現存する日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」がミュージアムとして再出発! ファンドで資金を募集

横浜・野毛エリアにある、現存する日本最古のジャズ喫茶として知られる「ジャズ喫茶ちぐさ」。2023年に開業90年を迎え、建物の耐震性に問題があることから、ライブハウスとミュージアム機能を備えた「ジャズミュージアム・ちぐさ」として再出発します。現店舗での最終営業は4月10日。

横浜・野毛エリアにある、現存する日本最古のジャズ喫茶として知られる「ジャズ喫茶 ちぐさ」。2023年に開業90年を迎えることから、ライブハウスとミュージアム機能を備えた「ジャズミュージアム・ちぐさ」として建て替え、再出発します。現店舗での最終営業は4月10日ということで、取材してきました(画像は筆者撮影、一部提供)。
 

世界に通じるジャズプレイヤーを育てた「ちぐさ」

店内に飾ってある、吉田衛さんの顔を描いた絵皿
店内に飾ってある、吉田衛さんの顔を描いた絵皿


「ジャズ喫茶 ちぐさ」は、1933年に吉田衛(よしだ まもる)さんが横浜・野毛に創業。横浜大空襲ですべてを焼失するも、1948年に再開。当時、レコードは高価だったため、横浜の米軍クラブで演奏していた若き日の秋吉敏子さん、渡辺貞夫さん、日野皓正さんらが熱心に通い、レコードで本場アメリカのジャズを聴いて勉強しました。多くのジャズプレイヤーが「ちぐさ」から世界へと羽ばたいていったのです。
 

現ちぐさ2階に旧ちぐさを再現したときの様子(画像提供)
現ちぐさ2階に旧ちぐさを再現したときの様子(提供画像)


1994年に吉田さんが亡くなった後は、妹の吉田孝子さんと有志の常連客によって営業が続けられましたが、2007年に区画整理のため閉店。ちぐさが保有していたレコードや音響設備、調度品などは復活を信じ、町内で保管されることに。
 

2012年3月11日、有志により、別の喫茶店だった現在の場所で営業が再開。復活にあたり「一般社団法人ジャズ喫茶ちぐさ・吉田衛記念館」を発足し、現在に至ります。
 

ジャズ喫茶 ちぐさ外観
ジャズ喫茶 ちぐさ外観


喫茶タイムは12:00~18:00、バータイムは18:00~22:00。4月1日から10日までは11:00から開店予定。バータイムにはライブやイベントが行われる日もありますので、公式サイトをチェックしてお出掛けください。
 

「ジャズミュージアム・ちぐさ」の使命とは

ジャズミュージアム・ちぐさ外観イメージ(画像提供)
ジャズミュージアム・ちぐさ外観イメージ(提供画像)


現在の店舗は耐震性に問題があるため、より安全で快適な音楽空間を実現するため、ジャズ喫茶のイメージを超えた外装と内部構造を持つ「ジャズミュージアム・ちぐさ」に生まれ変わります。
 

ジャズ喫茶 ちぐさ内観。超巨大スピーカーに向かって座るスクールスタイル
ジャズ喫茶 ちぐさ内観。超巨大スピーカーに向かって座るスクールスタイル


現店舗の最終営業は4月10日。建物は解体されるため、いまの姿はもう見られなくなりますが、みなとみらいで仮店舗営業を予定しています。
 

店内は3000枚以上のレコードがずらりと。リストブックから1組1枚(片面)リクエスト可
店内には3000枚以上のレコードがずらりと。リストブックから1組1枚(片面)リクエスト可


「ジャズミュージアム・ちぐさ」の使命は、引き続き、創業店主・吉田衛さんの遺志を受け継ぎ、ジャズの歴史と伝統を大切にし、それを未来につないでいくこと。
 

若いプレーヤーには演奏の場を提供するライブハウスとして、ジャズを愛するファンには、ちぐさが90年にわたって蓄積してきた6000枚のLPレコードや、駐留米軍の残したV-ディスク、手作りのオーディオ装置など貴重なアーカイブスを体感できる、リアルとバーチャルを併せ持つハイブリッド・ミュージアムとして、「街中の劇場」となるべく、開かれたジャズスポットを目指します。
 

ジャズミュージアム・ちぐさ外観イメージ(提供画像)
ジャズミュージアム・ちぐさ外観イメージ(提供画像)


理事の1人である横山良一さんは「ガラス張りの外観を発表したのでビックリされる常連さんが多いですが、下層階に1946~2007年の『ジャズ喫茶 ちぐさ』をまるごと再現することをお知らせすると安心されます。ジャズを聴きながらコーヒーも楽しめます」と話します。
 

1952年に隣町に創業したキーコーヒーとは長年の付き合い。サイフォンに合う「ちぐさブレンド」を使用
1952年に隣町に創業したキーコーヒーとは長年の付き合い。サイフォンに合う「ちぐさブレンド」を使用

 

ジャズファンからの募金、寄贈を受付中

総工費は約1億円。自己資金、銀行融資に加え「横浜野毛地区まちづくりトラスト」の補助金申請などでまかないます。さらに「Jazz Museum CHIGUSA ファンド」を発足し、一般、企業、団体から約1000万円を目標とする募金活動もスタート。2022年3月~2023年2月まで受け付けます。
 

URL:Jazz Museum CHIGUSA ファンド(JPEG)
 

ジャズの資料となりうるレコードや書籍、写真、オーディオ機器、楽器などの寄贈も大歓迎とのことです。
 

「ジャズミュージアム・ちぐさ」の館長には、カップヌードルミュージアム 横浜の前館長・筒井之隆(つつい ゆきたか)さんが就任予定。竣工は2023年3月11日。
 

若者や外国人が集まる魅力ある街・野毛のランドマークとして、地域との融和を図りながら、横浜の観光振興に貢献していきたいとしています。
 

・URL:ジャズ喫茶 ちぐさ

 

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