「グラビア雑誌」「活字離れ」など、業界人でなくても使っている印刷用語。あなたは正しい意味を知っていますか? なんとなくは分かるけど、ちゃんと説明するのは難しいですよね。
今回は、知ってるようで知らない印刷用語を紹介します!
真のグラビアアイドルはもういない
グラビアとは、版に図像を削り込む「凹版印刷」の一種であるグラビア印刷のこと。微細な濃淡が表現できるので、かつては写真ページの印刷によく使われていました。それが転じて「グラビア雑誌」、そこに登場するモデルを「グラビアアイドル」と呼ぶように。
ただし、現在では「平版印刷」の一種であるオフセット印刷が主流。真の意味でのグラビアアイドルはもういない、現在のグラドルはみんな「オフドル」なんです……!
また「若者の活字離れ」とよく言いますが、活字とは「凸版印刷」の一種である活版印刷に使われる字型のこと。こちらも今ではオフセット印刷なので、実は若者だけじゃなく、ほとんどの人が活字から離れています。
「B○サイズ」は日本独自の規格
紙のサイズ規格であるA判とB判は、別々のルーツからきています。A判は、A0判の面積が1平方メートル・縦横比がルート2となる規格。ドイツで使われていたものを日本が1929年に採用。後に国際規格(ISO)となりました。
一方のB判は、江戸時代に使われていた「美濃判」からきている日本独自の規格(JIS)。B0判の面積は1.5平方メートル、縦横比は同じくルート2です。
A判が導入された昭和初期に、それまで使っていた美濃判もB判としてサイズ展開することに。ただし、B0判が半端な数字になることを避けるため、キリのいい1.5平方メートルに設定。B4サイズが美濃判とほぼ同じになるようにしました。
国際規格にもB判はありますが(ISO-B)、日本のB判(JIS-B)とは別モノです。海外では正しく通じないのでご注意ください。
CMYKのKは「ブラック」でも「黒」でもない
「写真を印刷したらモニターで見る色と全然違った」という経験はありませんか? 実は、モニターと印刷物では、基本の3原色が異なります。
パソコンのモニターは光の3原色である「RGB」(レッド、グリーン、ブルー)で、混ぜるほど明るさが加わり白に近づく「加法混色」。
一方、印刷物は色料の三原色である「CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)」で、混ぜるほど明るさが減り黒に近づくため「減法混色」です。ただ、CMYをすべて混ぜた黒に近い色は印刷で鮮やかに出ないため、黒を加えた「CMYK」の4色が使われます。
この「CMYK」のKを実際の印刷現場ではスミ、クロ、ブラックなどと呼ぶために「ブラック(blacK)のK」や「黒(Kuro)のK」と思っている人がいますが、正しくは他の印刷の合わせになる版「キープレート(Key plate)」の頭文字を取ったものです。
いかがでしたか? コピーの待ち時間を潰すちょっとした雑学として、あるいは印刷業界が相手の合コンでの最後の切り札として! ぜひ話してみてはいかがでしょうか。
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