英語オンチから外資系CAへの道
今の生活は飽きたし、一度は海外に出て働いてみたい!でも英語が苦手で……なんて思ったことはありませんか? かくいう筆者も、かつてはそんな一人でした。高校時代に留学するも、スペイン語圏だったため英語はまるで伸びず、国際性を使命と謳う大学に進学するも、英語での講義がまったく理解できず、ディスカッションでは聞き役専門どころか置物状態。就職先のイギリス系企業では、英語の会議やプレゼン、メールのやりとりについていけず、限りなく英語オンチで惨めな日々を送っていました。そんな「英語のできない惨めさ」が骨の髄まで染み込んだ筆者は、あるとき海外転職を決意。
一念発起して受験しはじめた海外ベースの外資系エアラインで、自ら考案した「英語オンチ克服メソッド」を用いてみたところ、なんと4社のCA(客室乗務員)職で内定を得ることができたのです。初めての海外就職を目指す方のために、今回はそのメソッドの中から英語面接対策に特化したポイントをいくつか選んでお伝えしますね。
メソッド1.「企業サイト熟読」で重要キーワードを割り出す
心配性の筆者は、書類選考から面接までの約1か月間は、とにかく下準備に勤しみました。まずは企業研究として、面接先企業のウェブサイト(英語版)をすべてプリントアウトし、しらみつぶしに読み込んで、どんな小さな字で書かれた情報も頭にインプット。これで企業研究ができると同時に、その会社の企業理念を表す重要キーワード群を割り出すことができます。メソッド2.「パラフレーズ」で英語音痴パニック発作を予防
「メソッド1」で頭に入れた内容とキーワード類、自らの経験などを元に、面接の問答集を英語で制作します。私が面接を受けた頃は自動翻訳がまだまだ発展途上でしたので、自分で試行錯誤しながら英訳したものですが、グーグル翻訳など音声付きツールが充実した現在ではかなり楽に進められるはずです。ポイントとしては、一つの質問につき2~3パターンの聞かれ方を予想し、面接中に想定外のフレーズや単語が飛び出しても、頭が真っ白になる事態(英語音痴パニック発作)を極力避けるのが狙いです。
例えば、面接官がチームワークの経験について尋ねる場合、
などなど、疑問文に命令形など、聞き方にはかなりのバリエーションがあります。“Tell me about a time you worked well as part of a team.”
“How do you feel about working in a team environment?”
“Provide an example of a time you showed strong teamwork skills.”
上の例であれば、チームワークという言葉さえ聞き取れれば、あとは自分のチーム内での役割、失敗談や挽回経験からチームプレイの重要性までと、事前に暗記しておいた回答を熱く語れば大方OK。多少答えがずれていたとしても、こちらのペースに相手を巻き込むことができれば勝ったも同然ですし、「うーん……」と考えあぐねているよりは、遥かに好印象を与えるはずです。特にヨーロッパの人などは、相手の言うことをさして聞かずに、自分の話したいことを一方的に押し通す傾向にあるので、少しくらいズレた回答には面接官も慣れていらっしゃるかと思います(笑)。
メソッド3. リスニングとシャドウイングで「英語脳」を叩き込む
併せて取り組んだのは、とにかく耳と口を“英語モードに慣れさせる”こと。これは、英語のリスニング、スピーキングともに自信がなかった私にとっては、一番の課題でもありました。そこで大型書店に赴き、CD付きのビジネス英語本を一冊買い求め、とにかくそれを毎日の通勤時・休憩時などの隙間時間に何度も聞いて、シャドウイング(音声を聞いて、即座に復唱する)を繰り返すことに。この方法で英語の抑揚の感覚がつかめるとともに、英語の質問にとっさに反応したり、英語が口をついて出るようになったため、面接時は言わずもがな、グループワークやプレゼンテーション、ロールプレイなどの際にも、大いに役に立ちました。
メソッド4.「面接企業の英語アクセント」を見極める
面接官の英語は実にさまざまです。相手が英語ネイティブとは限りませんし、受験先がヨーロッパ企業ならばブリティッシュアクセントの確率が上がります。日本では概してアメリカ英語に触れる機会が多いため、いきなりイギリス英語やオーストラリア英語、他言語訛りの強い英語で質問されると、英語音痴パニックが発動しそうになりますよね? ということで、余裕があれば受験企業の傾向を見極め、どのような英語が来そうか対策を練っておくと、さらに安心です。いかがでしたか?
今回紹介した内容は作業量こそ多めですが、メソッドとしてはシンプルです。私自身、これを1か月ほど続けたところ、英語面接で3社、後にドイツ語面接で1社(当時のドイツ語力は片言程度)から内定をいただくことができました。的確な方法を知り、周到に準備をすれば、英語オンチでも海外就職は決して夢ではありませんので、ぜひお試しください!
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