「冬型」の気圧配置で太平洋側はカラカラに
太平洋側の地域で冬にやっかいなのが空気の乾燥です。冬に天気図上でよく見られる「西高東低」の気圧配置になると、日本海側では雪や雨が降りやすくなる一方、太平洋側では晴れて空気の乾燥することが多くなります。
冬の関東は全国トップクラスの乾燥地帯、その理由は地形にあり!?
先月、2022年1月31日までの30日間の降水量は、太平洋側の地域を中心に平年を下回っていますが、なかでも関東地方は平年の半分にも満たない地点が多くありました。先月の東京都心の合計降水量はたった22.5ミリで、平年の約4割にとどまりました。もともと雨の少ない季節ですが、ことしは例年以上にまとまった雨が降らず、空気の乾燥が続いています。新潟など日本海側から流れ込む雪雲や雨雲は山に遮られるため、関東は冬型の気圧配置のときはめったに雪や雨は降りません。
地図を見ると、東海地方周辺は日本海側と太平洋側との距離が近く、くびれた地形をしていることがわかります。さらに、若狭湾から伊勢湾にかけての間で、岐阜県の関ケ原付近は山地がやや低くなっています。冬の日本海で発生する雪雲は、雲の高さが低いことが多いため、強い季節風に伴って、日本海側から雪雲が抜けて、名古屋など太平洋側まで届きやすくなるのです。
乾燥シーズンは「フラッシュオーバー」を防ぐため火災警報器の点検を
空気の乾燥が続くと、問題になるのが火災です。私たちの身近な住宅で発生する火災の出火元は、たばこやストーブなどの暖房器具、こんろです。また、老朽化した電気器具やタコ足配線が原因で起きる電気火災も少なくありません。住宅内での火災を防ぐためには、電気ストーブなどの暖房器具の周りには燃えやすいものを置かず、洗濯物を乾かすために使うことは控えましょう。使っていないプラグは抜いておく、プラグやコンセントはほこりがたまらないように定期的に掃除をすることも大切です。
また、火災はひとたび発生すると、急激に広がることが特徴です。はじめは局所的だった燃え方がある時点を超えると急速に広がり、数秒~数十秒のごく短い時間に、部屋全域に拡大する現象を「フラッシュオーバー」といいます。フラッシュオーバーを境に発生する黒い煙には、吸うと死に至る危険性のある、毒性の高い一酸化炭素が含まれます。
天井に火が回るとフラッシュオーバーが起きやすくなるため、ひとつの目安として「天井に火が届く前に」避難をすることが重要といえます。火災に早く気付くために、住宅用火災警報器の点検は定期的に行うようにしましょう。住宅用火災警報器は古くなると電子部品の劣化や電池切れなどで火災を感知しなくなることがあります。
設置年月を確認し、設置から10年を目安に本体の交換をする必要があります。乾燥する季節に火災から私たちの命や財産を守るため、あらためて身の回りの環境を見直すなど対策を十分に行いましょう。
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