ひとり親家庭の養育費、受取り額「1万円以下」2割強。元パートナーに「怖くて連絡できない」実状も

フードバンク「グッドごはん」をする運営するグッドネーバーズ・ジャパンは、「ひとり親家庭の養育費」についての調査を実施。養育費の取り決め額、実際に受け取っている金額、滞る養育費について切り出せない理由など、調査結果から養育費受け取りの実状が見えてきました。

ひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」をする運営する認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、アンケート調査により得た、主に離婚による「ひとり親家庭の養育費受け取りの実情」を公表しました。

調査は、「グッドごはん」に食品を申し込んだ関東1都3県および大阪(東京は主に大田区、品川区、その他神奈川・埼玉・千葉/大阪は大阪府を指す)の主に30~50代の利用者882人(東京・神奈川・埼玉・千葉 494名/大阪府 388名)を対象に実施されたものです。 
 

子ども1人当たりの養育費、取り決め額は「月々2~3万円」が半数以上

子どもの親と養育費の取り決めをしましたか?
まず、「養育費の受け渡しの取り決めをした」と回答した人のうち、公正証書や家庭裁判所を介して取り決めるなど、強制執行可能な方法で取り決めをした人は、東京で17%、大阪で12%にとどまりました。
子ども1人当たりの養育費の取り決め額(月額)
「養育費の取り決めをした」と回答した人に聞いた「子ども1人当たりの具体的な取り決め金額」は、月々「2〜3万円台」が全体の半数以上を占めました。
 

実際に受け取っている養育費、「1万円以下」の人も2割以上

実際に受け取っている「養育費」の金額
一方、「実際に受け取っている養育費の金額(子どもが複数いる場合は合計額)」は、「1~3万円」が最も多く、「1万円以下」という回答も「3~5万円」に次いで3番目に多いということが明らかに。「取り決め金額」より実際に支払われる金額が低くなっている人が多いことがうかがえます。

養育費減少の理由については、「コロナの影響による相手の収入減少」「念書に『増減可能』と記載されている為」「養育費を払ってもらえるように、毎月LINEで何度も連絡して、なるべく払ってもらうように頼んでいるが、お金がないといい、いつも減額したり、払ってくれないことも多い」「相手は自営業なので仕事の状況や、再婚、子供が生まれるなどの理由で支払いが滞り、必要時にはLINEで連絡はとれるがあまり話し合いに応じてはくれない」など、さまざまな事情があることが分かりました。


>(次のページ)元パートナーに「養育費」について連絡できない深刻な理由とは?



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