菅田将暉さん主演の月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』が、1月10日21時にスタートしました。第1話が放送されるや、Twitterではトレンド1位に浮上。原作マンガに忠実な世界観や独特の会話劇、俳優陣の名演技が話題になり、早くも「今期1位のドラマになる予感」との声が聞こえてきています。
原作マンガの世界観が存分に味わえる仕上がり
『ミステリと言う勿れ』は、田村由美さんによる同名の人気マンガが原作。天然パーマがトレードマークの主人公が淡々と自身の見解を述べるだけで事件の謎も人の心も解きほぐしていくという、令和版・新感覚ミステリーです。
原作ファンの間では以前から理想のキャスティングが話題になっており、主人公の久能整（くのうととのう）役の菅田将暉さんには、放送開始前から期待の声が上がっていました。第1話は、ほぼ原作に忠実なストーリー展開。久能と深く関わっていくことになる刑事・青砥（筒井道隆）、池本（尾上松也）、風呂光（伊藤沙莉）も、個性的なキャラクターの魅力を存分に見せつけました。
久能がとうとうと語る長せりふには心に響く言葉が満載
第1話では、主人公の久能が殺人事件の容疑者として警察から事情聴取を受けることに。久能は観察力が鋭く記憶力抜群で、膨大な知識量も持つ大学生。常々何かを思索しており、自分の考えをひたすらしゃべり続けるので、ちょっとうざいし面倒くさい。友人も恋人もいないけれど、とりわけ気にもとめず快適に暮らしているタイプの人物です。そんな久能が、刑事たちの会話や行動から彼らのパーソナリティと事件の真相に迫っていきます。
愛猫の死をみとれなかったと落ち込む風呂光には「猫は風呂光さんが大好きだったから、死ぬところを見せたくなかった。それは猫のプライドです」と慰め、妊娠中の妻との不和に悩む池本には「ごみ捨てってどこからですか？ ごみ箱はいくつありますか？ ごみをまとめるのが大変なんです」と妻が不機嫌な理由の本質を説き、冤罪（えんざい）事件で異動した経験のある青砥には「真実は人の数だけある。事実は一つ」と事件の本質を見るよう促します。
それぞれ、久能による独特な例え話を交えながらの長せりふですが、心に響く言葉にあふれ、物事の本質をほぐされていくように感じます。ひたすらとうとうとしゃべり続ける久能の言葉に耳を貸し心をほどかれていくうちに、刑事たちも久能が犯人だとは思えなくなってくるのです。
名バイプレーヤー・遠藤憲一の演技に涙！
久能が疑われた事件の真犯人は、彼を取り調べていた刑事の1人・薮（遠藤憲一）。過去に妻子を未解決のひき逃げで亡くしており、その復讐にとりつかれた末の犯行でした。しかし、久能の記憶と考察により導き出された真相は、胸がえぐられるような事実でした。薮が殺害した人物は、ひき逃げ事件の犯人ではなかったのです。
家庭を顧みず仕事一直線、しかし復讐となれば仕事と同じベクトルで熱量を傾ける父を責めるように「復讐は楽しかったですか？」と問う久能に、「お前に何がわかる」と薮は激高します。働いたこともない親のすねをかじる学生、妻も子供もいない、だけど子供だったことはある。子供の気持ちで語る久能を前に、薮は泣き崩れます。菅田さん＆エンケンさんの熱演には、Twitterでも「泣かされた」「めっちゃ胸に刺さる」と称賛の声が相次ぎました。
会話劇と新たなキャラクターに期待
第1話で犯人役だった遠藤憲一さんが今後登場しないであろうことを嘆く声が上がる中、各話ゲストで登場する俳優に期待する声も。第1話のラストでは、およそ10年ぶりの月9出演となる瑛太さんの姿が見られました。瑛太さんが演じるキャラクターは、原作でも重要な人物。各エピソードに登場する人物のキャスティングからも目が離せません。
「言う勿れ」と言うわりに、しっかりミステリー要素も楽しめる本作。ただ、刑事が証拠や供述から事件の真相に迫るドラマではなく、一風変わったもじゃもじゃ頭の大学生が、独特な語りで真相と人の心をほどいていくのが本作の見どころ。主人公・久能整の思索や名言に注目です。
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