「この志望校は柴田さん自身の考えですか?」
ある日、桜花ゼミナールに「井の頭ボウル」のマスター(加治将樹)の娘・沙良(住田萌乃)が現れる。黒木(柳楽優弥)と知り合いである事実に驚きを隠せない佐倉(井上真央)と桂(瀧内公美)は、沙良が実は黒木が関わっている無料塾で指導を受けた教え子だったことを知ります。中学受験を経て女子の名門校、二葉女子学院に通う沙良は、まるみに中学の話をします。沙良の話を聞くうちに二葉女子学院に興味を持ったまるみですが、現在の彼女にとっては難関校。恐る恐る黒木に相談したところ、
「二葉女子学院、いいじゃないですか」
という反応。
不登校のまるみには「個性を大切にする」「人と違っていてもかっこいい」校風が響きました。黒木が沙良を使って、まるみを誘導した形ではありますが、「自分の考え」であるかどうかをあえて確認。まるみにとっては、まぎれもなく「自分の意思」で目指したい志望校が見えた瞬間でした。
「中学受験では本人よりも親の方が先に音をあげます」
二葉女子学院を受けたいと言い出したまるみは、自習室を利用するようになったり、塾の夏合宿に参加する意思をみせたりと急激に変化、さらには夏合宿から上位のΩクラスに上がることに。そんな彼女に、母の美佐子(月船さらら)は戸惑うのでした。「難関の名門校じゃなくていいんです。
あの子に合った、分相応の学校に行ってくれればいいと思ってます。
不登校のあの子が、こうやってこちらの塾には毎日通ってくれてます。
だからあまり無理をさせたくないと思ってます」
夏合宿から帰ってきてすぐに、授業についていけないと泣き出し、自信喪失した様子のまるみを心配する美佐子。不登校で引っ込み思案な娘の平穏な日常と未来だけを願う母の動揺や思いを知ってか知らずか、まるみは夏合宿をきっかけに、友達という大きな存在に影響され、さらなる成長の可能性をみせることになります。
「私は、あの2人のかけ合わせによる、大きな化学反応に期待しています」
Ωクラスでまるみに声をかけてきたのは明るく活発な女子、直江樹里(野澤しおり)。同じ志望校であることを知りますが、ずっとΩにいる樹里に敵うはずがないと、まるみはますます自信を失っていきます。しかし樹里から意外な言葉を聞くことに。「1人でコツコツ自習できることとか、
嫌いな科目も逃げずにやるとか、
本気出したらすぐに何人も抜いてΩにあがってきたこととか…
まるみは伸びしろしかない!」
算数が得意な天才肌の樹里は、漢字が得意で几帳面なまるみをリスペクトしていました。
「活発なのは似合わないと周囲に見える柴田さんも、
実際は直江さんのようになりたいと憧れていた
それは憧れの天才の側も同じです」
と黒木。
「いっしょにフタジョを目指す!」
と進み始めたふたり。同じ学校を目指しても、どちらかが合格できない可能性も大いにあることを考えると複雑です。一方で、同じ志望校を目指す塾友の存在が心の支えになって頑張れるパターンも。
「タイプの違うふたりの混ぜ合わせによる“化学反応”に期待している」
という黒木の目論見どおり、今後の2人の成長が楽しみになるポジティブな展開となった第6話。守ってやらなければならないと思い込んでいたわが子の急成長に戸惑う親。中学受験塾という過酷な環境の中でたくましく成長する子どもたち。
「子どもは、大人が思っているよりタフなものです」
黒木の発言は意外に的を射ているのかもしれません。
【動画】第6話を5分で復習!
【おすすめ記事】
・【第5話】 “親塾”と化した父親の狂気……
・【第4話】中学受験は年間100万超の「課金ゲーム」!?
・【第3話】勉強ができる子がひそかに抱えていた闇
・【第2話】「勉強が楽しくなければ中学受験は成功しない」
・【第1話】「父親の経済力と母親の狂気!」の真意とは