「成績優秀」で完ぺきに見える女の子の“悩み”
塾講師視点で中学受験を描いたドラマ『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』(日本テレビ系)。回を追うごとに黒木っぽさが増していく柳楽優弥の憑依っぷりも見どころのひとつです。第3話でクローズアップされたのは、前田花恋(田中絆菜)。桜花ゼミナール女子の中で成績トップの彼女の転塾をめぐる騒動をとおして、優秀な子の悩みに寄り添う黒木(柳楽優弥)の発言に心打たれる展開になりました。
桜花ゼミナールでは常に最上位のΩ(オメガ)クラスに在籍し、女子で成績トップの花恋。塾に物足りなさを感じていた彼女は、桜花ゼミナールよりレベルの高いライバルを求めてトップ塾であるルトワックへの転塾を考え始めます。
体験授業に参加してみると、クラスでビリの点数を取ってしまいショックを受ける花恋。プライドが高く努力家の彼女は、ルトワックでもトップになりたいと、さらに勉強に熱が入ります。
成績優秀な花恋は、学校でもつらい状況にありました。
「なに、頭いいアピールしてんだよ」
いち早く問題が解けて手を挙げると、クラスメイトからこんな言葉を投げかけられます。
「こないだも、テスト100点とったって自慢してた」
「ほんとウザい!」
ストレスで自傷行為をするまでに追い詰められていた彼女の心に寄り添ったのが黒木でした。
黒木の名言1:「勉強ができる子は、なんで褒めてもらえないんだろ」
ルトワックの体験授業で、自分よりもレベルの高いライバルに接して落ち込む花恋に黒木はこう投げかけます。「クラスでいちばん足が速いとか、いちばんに逆上がりができた子みたいに、クラスでいちばん勉強できる子を褒めてくれればいいのに。文化祭の劇の主役に選ばれた子みたいに、運動会で応援団のリーダーをやった子みたいに…… 私を褒めてって思うよね」
「塾に通っているのだから、学校では成績がよくて当たり前」と褒めてもらうことがなかった花恋。黒木は、誰よりも努力して小さなプライドを守ってきた彼女の頑張りを認め、優しい言葉で寄り添いました。
黒木の名言2:「いちばん元気に泳げる池を教えてあげたんです」
学校でも塾でも居場所をなくしかけていた彼女に黒木は、「花恋は、女王になれるところでしか輝けない」
「花恋には、トップが似合ってる」
と、桜花ゼミナールで待っていることを告げました。
トップ塾のビリよりも、中堅塾のトップにいるほうが彼女の性格に合っていると判断した黒木。第2話でも「勉強がたのしくなければ中学受験は成功しない」と言っていましたね。競争心の強い子は、レベルの高いライバルと切磋琢磨するほうが成績アップにつながりそうなイメージですが、楽しく、のびのびと勉強する方が伸びるタイプも。それだけ塾選びが重要であることが分かります。
講師たちに対しては、
「その子が欲しいものと、必要なものは必ずしも一致しない。大人たちがその経験から慎重に、子どもたちの手を引いてやらなければならない」
とも。花恋の母親・麗子(高岡早紀)も、
「受験するのは本人」
「親としてできる限りのフォローをしてやりたい」
などと受験や勉強を強制することなく子どもの意思を尊重して見守る理想的な保護者として描かれていますが、必ずしもすべてを子ども任せにしていいというわけではありません。
中学受験の主役は12歳の幼い子どもたち。大人にしかできない判断や見極めも実は多いのです。子どもの気持ちを尊重しつつも、その子の特性を理解して一番輝ける環境を用意する、そんな中学受験の難しさが描かれた第3話となりました。
【動画】第3話を5分で復習!
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