「ネットいじめ」が少ない国ランキング! 3位「サウジアラビア」、2位「イタリア」、1位は……?

「オンラインいじめ」に関する世界のデータから、日本と世界の「ネットいじめ」の実態やSNSとゲームへの依存度、保護者や学校の指導に対する評価などが明らかになりました。「ネットいじめ」が少ない国として、日本は何位にランクインしているのでしょうか?

ネットいじめが少ない国ランキング

ネットいじめが少ない国ランキング
 

保護者や学校による、子どもへの適切な指導は世界最低ランク

デジタル利用に関する「指導&教育」評価
保護者や学校が子どもに適切なデジタル利用の指導を施しているかを評価する、COSIの「指導と教育(Guidance & Education)」という項目では、日本は世界最低ランクです。日本の子どもがインターネットの安全な使い方について、家庭や学校で指導を受ける機会は、他国と比べて圧倒的に少ない状況となっています。NTTドコモモバイル社会研究所の2019年の調査では、保護者の4割が「SNSの年齢制限」について「知らなかった」と回答。また、スマートフォンを持っている小学生の約3割が、SNSを通じて知らない人とやり取りをした経験があると回答しています。日本の保護者は、子どものスマートフォンを物理的に制限することはあっても、デジタルインテリジェンスについては十分でない可能性があります。

子どものメディア利用に関して親がどのような影響を与え、指導しているかを測定する「保護者による指導スコア(Parental Guidance score)」は、スコアが高いほど、保護者の指導のレベルが高いことを示しています。日本のスコアは、世界ワースト3位。日本の保護者自身の、ITリテラシーやデジタルインテリジェンスが低い可能性がうかがえます。

学校によるオンライン安全教育の提供状況を測定する「オンライン安全教育スコア(Online Safety Education Score)」は、スコアが高いほど、学校のオンライン安全教育レベルが高いことを示しています。日本は、世界ワースト5位でした。
 

日本の子どもの「デジタル・エンパシー」は30カ国中24位

「デジタル・エンパシー(Digital Empathy)」スコア
「デジタル・エンパシー(Digital Empathy)」の指標は、子どもたちのオンラインでの他者への思いやりに関する能力や知識を測定しています。共感に関する知識、ネット上の荒らしのメカニズム、オンラインで偏見を持たず思いやりのあるコミュニケーションを行うするスキル、子どもが他人の感情にどの程度共感できるかを評価する「共感力」を主な基準として算出されています。

COSIのデータによると、ネットいじめの日本のスコアは世界トップとなる一方で、「デジタル・エンパシー(共感力)」については、世界平均を大きく下回り、30カ国中24位という結果になっています。エンパシーとは、“もし自分が相手の立場だったら”と考えてみる想像力と言えます。共感力は他者との円滑なコミュニケーションに欠かせない能力の一つですが、子どものコミュニケーション能力自体が、核家族化の進行やITの発達によって低下しているとも言われています。日本の子どもの「デジタル・エンパシー」の指標がこれほど低いスコアとなっている理由の一つとして、やはりオンライン安全教育のレベルが低いことが挙げられるかもしれません。

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