イギリスの高等教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」は、2021年で3回目となる「THEインパクトランキング2021」を発表。気候変動に対する活動やジェンダー問題、健康や福祉など、社会や経済にあたえる影響の尺度を国連のSDGsが掲げている17の目標に合わせて設定し、世界各国の大学が自らの強みに合った目標を選んでエントリーします。
今年は94の国と地域から1117校がランキング対象となりました。本記事では総合ランキングTOP3と日本の大学の様子を紹介します。
総合ランキング1位はマンチェスター大学(イギリス)
総合ランキング1位はイギリスのマンチェスター大学。「SDG11(都市と人間)」「SDG12(生産・消費)」でトップ、「SDG14(海洋資源)」で2位とハイスコアを出しています。2位は2年連続でオーストラリアのシドニー大学でした。「SDG6(水と衛生)」や「SDG15(陸上の豊かさ)」で高ポイント。
3位は同じくオーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学。「SDG10(人や国の不平等削減)」や「SDG9(産業・イノベーション)」で高ポイントでした。
TOP10にはオーストラリアの大学が多数ランクインしており、学力や研究など従来とは異なる目線で世界の大学を比較したのがインパクトランキングの見どころです。
日本からは85校が参加し技術大国としての存在感示す
日本の大学も参加しており、2020年の72校から85校に増加。総合ランキング上位には東北や広島、京都、北海道、東京大学などが入っています。いずれも総合ランキングTOP100へのランクインはありませんでしたが、SDG別では「SDG9(産業・イノベーション)」で東北大学が9位タイ。
同カテゴリで京都大学が16位タイ、次いで名古屋大学が24位タイなど計8校がTOP50にランクインしており、技術大国としての存在感を示しています。
SDGsは「持続可能な開発目標」として193の国連加盟国が2030年までに達成すべく掲げた目標。大学に限らず、こういったポジティブな話題に日本の名前が挙がるよう今後も努力したいものです。
出典:Impact Rankings 2021(Times Higher Education)
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