セクハラ、パワハラ、マタハラ……。組織におけるハラスメント被害は社会問題化して久しく、2019年5月にはパワハラ防止策として改正労働施策総合推進法(以下:パワハラ防止法)が成立しました。2020年6月から大企業で施行され1年が経過した今、現場でのハラスメントの実態はどうなっているのでしょうか。

「Job総研」を運営するライボは、過去1年間のハラスメント実態に関するアンケートを行いました。1年以内~10年以上勤務し、20~1000人以上規模の会社に所属していることを条件とし、全国の20~69歳の男女374人にヒアリング。2021年6月4日~11日の期間でインターネットにより調査をしました。
 

ハラスメント被害の約80%が「パワハラ」

ハラスメントの種類
ハラスメントの種類TOP3
「実際にハラスメントの被害を受けた」「当事者ではないが社内でハラスメントがある」と回答した人は全体の47.0%にのぼり、回答者の半数近くが職場でハラスメントがあると感じているようです。その中で最も回答が多かったハラスメントの種類第1位は「パワハラ」で、79.7%でした。続く2位は「モラハラ」(44.2%)で、3位の「セクハラ」(9.9%)と差をつけました。また少数ではありますが、「リモートハラスメント」(5.8%)や「コロナハラスメント」(3.5%)といった、コロナ禍により新たに増えたと思われるハラスメント被害も存在しているようです。
 

被害を受けても「何もできない」のが現状 

ハラスメントの内容
ハラスメントの内容
96.5%と圧倒的に多かったハラスメントの内容は「精神的な攻撃や嫌がらせ」で、具体的な内容は「個人や能力を否定する」(57.2%)、「第三者がいる場面での罵倒」(46.8%)などが挙げられました。
ハラスメントへの対応
ハラスメントへの対応
このように、精神面に苦痛をもたらす行為が横行しているといえるハラスメント被害。みなさんは、どのように対処しているのでしょうか。ハラスメント被害への対応として最も多かった回答は、34.1%の「何もしなかった」でした。その理由について、「相談できるような環境がない」「職務上不利益につながる」などが挙がり、立場や状況的に行動に移せないパターンが多いといえます。

その他ハラスメントに対する行動として「社内の信頼できる人に相談した」(28.9%)、「退職した(退職を決意した)」(28.3%)などがありましたが、ハラスメント被害を受けたとしても会社に申告や抗議をすることは難しいと思っている人が多いようです。
 

ハラスメント防止策が整っている企業は少ない

防止対策について
防止対策について
社内のハラスメント防止対策について聞いてみると、「十分な対策をしている」はわずか5.2%。ほとんどの職場で適切な対策がとられていないことがわかりました。具体的なハラスメント防止対策については、「相談窓口を設けている」といつでも相談できる環境をつくっている他、「定期的に個人面談などを行う」「アンケートによる実態調査」といったヒアリングによりハラスメント被害を把握する場合もあるようです。

今回の調査では、残念ながらまだまだ多くの職場でハラスメント被害が多く見受けられることが明らかになりました。社内対策も万全といえる企業は少ないのが現状です。大企業に続き、2022年4月からは中小企業でもパワハラ防止法が施行されます。パワハラをはじめとするハラスメントの減少により、一人でも多くのビジネスパーソンが働きやすい世の中になることを願います。

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