「夫婦の出産意識調査」2人目の壁、不妊治療の保険適用……コロナ禍で出産・子育てへの不安を抱える夫婦は6割以上

公益財団法人1more Baby応援団は、今年で9回目となる「夫婦の出産意識調査2021」の結果を発表しました。コロナ禍における、出産や育児への不安やストレス、「2人目の壁」の感じ方などへの影響や今後の「不妊治療の保険適用」などについて調査しました。

公益財団法人1more Baby応援団は5月31日、今年で9回目となる「夫婦の出産意識調査2021」の結果を発表。調査は、全国の既婚者2954名に加え、自身、配偶者が不妊治療を検討、経験したことがある839名を対象に、2021年3月26~31日の期間でインターネットにより実施しました。
 

新型コロナの影響で、出産や子育てに不安を感じている女性は約8割

新型コロナの影響で出産や子育てに不安やストレスを感じている女性は約8割
「新型コロナウイルスの影響によって、出産や子育てに不安やストレス、孤独を感じますか」という質問に対して、「大いに感じる」と回答した子育て世代の既婚女性は38.8%。「感じる」と回答した人と合わせて、不安やストレス、孤独を「感じている」という人は、81.4%を占めました。男性は女性よりは低いものの、男女ともに6割以上の人が不安を感じていることがわかりました。
「外出やレジャーの機会が減ったこと」が男女ともに1位
コロナ禍で不安が増した項目は、男女ともに「外出やレジャーの機会が減った」が最も多く、次いで「自分や家族に新型コロナウイルスの感染リスクがある」が続きました。
 

不妊治療検討・経験者の半数が不妊治療の「保険適用」に期待

不妊治療は「助成金制度」と「保険適用」のどちらが良いか
2022年4月から不妊治療の助成金が廃止され、新たに不妊治療が保険適用となる予定です。不妊治療を検討、または経験したことがある「不妊経験者」に、助成金制度と保険適用のどちらが良いかを尋ねたところ、全体では「保険適用の方が良いと思う」が50.3%と最も多く、次いで「助成制度の方が良いと思う」(31.9%)でした。

しかし、不妊治療に関する知識の差によって回答は異なり、知識が高いグループほど「助成制度の方が良いと思う」という回答割合は高くなっています。保険制度について詳細が決まっていない状況である中、保険制度への懸念も大きいようです。
 

不妊治療の保険適用制度へ期待することは「経済的負担の軽減」が7割以上

不妊治療の保険適用制度へ期待することは何ですか
不妊治療の保険適用制度へ期待することは、不妊経験者では「経済的負担の軽減」が73.1%と最も多く、2位は「助成金のような回数制限がなくなること」(39.8%)、3位は「助成金のような窓口での一時負担がなくなること」(36.4%)でした。

一方、「現在子どもがいない人」で見てみると、「助成金のような回数制限がなくなる」(47.8%)や「治療費も重要だが、妊娠する確率が高い方がさらに重要だ」(40.0%)の割合が高くなりました。不妊治療に関する「知識が高い人」では、1位は「経済的負担の軽減」と同じだったものの、「保険適用となる治療と、適用外の治療を同時にできるようにしてほしい」(44.3%)が2位。最新の治療も行える、混合診療へのニーズが反映された結果となりました。

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