「ゆで卵」の賞味期限・保存方法、「生卵」と日持ちするのはどちらかなど、卵の基礎知識はご存知でしょうか?
安くてかんたん、手軽に美味しい! 日本の食卓に欠かせない食材である「卵」ですが、実は料理に適した「卵のサイズ」や鮮度ごとの「おすすめの食べ方」があることはあまり知られていません。
そこで今回は、キユーピータマゴ株式会社で卵のスペシャリスト「五ツ星タマリエ」でもある児玉大介さんに意外と知らない卵の「5つの常識」を教えてもらいました!
<目次>
1. 卵は、賞味期限を過ぎても加熱をすれば食べられる
2. 新鮮な卵でゆで卵を作るなら1~2日常温保存を
3. 「ゆで卵」より「生卵」の方が日持ちする
4. 卵は、産卵日から何日目かでおすすめの食べ方がちがう
5. 卵のサイズによっておすすめの使い方がある
1.卵は、賞味期限を過ぎても加熱をすれば食べられる
卵の賞味期限は「安心して生食できる期限」のこと。生卵の賞味期限が過ぎても、加熱調理をすれば食べられます。ただし単食でも70℃以上、他の食材と混じる場合なら75℃以上で1分を超える加熱が必要なので、温泉卵などの低温調理は避けましょう。
2.新鮮な卵でゆで卵を作るなら1~2日常温保存を
ゆで卵は産卵日から5日目以降がおすすめですが、もっと早くしたいときは1~2日常温保存し鮮度をあえて落とすことで殻をむきやすくできます。
生卵を常温で保存するのは基本的にはNGですが、加熱調理するなら1~2日はOK。また、ゆでる前に卵の丸みのある方に小さな穴をあけたり、ゆでてすぐ冷水にさらすことでも殻をきれいに剥くことができます。
3.「ゆで卵」より「生卵」の方が日持ちする
一般的に、食材は火を通した方が長持ちするイメージがありますよね。しかし意外なことに、火を通したゆで卵より生卵の方が日持ちします。
これは卵に細菌から雛を守る「リゾチーム」という成分が含まれているため。リゾチームは加熱するとその機能がなくなってしまうので、ゆで卵にすると日持ちしなくなります。
「ゆで卵を作ったら冷蔵保存で 1日~2日程度で召し上がることを推奨します」 と児玉さん。生卵の感覚で長期保存しないようにご注意ください。
4.卵は、産卵日から何日目かでおすすめの食べ方がちがう
「一部の卵パックに記載されている産卵日に注目しましょう」と児玉さん。新鮮な卵の内部には「炭酸ガス」が入っており、ゆでると膨張して殻が剥けにくくなります。
このため、ゆで卵は産卵日から5日目以降がおすすめ。卵白が水様化している方がしっかり固まる茶碗蒸しも5日目以降が適しています。
また、卵白が卵黄と混ざり合いやすくなるので、きれいな黄色にしたい卵焼き・出し巻き卵・ふわふわに仕上げたい卵スープも5日ごろ以降がおすすめ。
卵白の水様性部分が多くなって泡立ちが良くなるため、メレンゲをつくるお菓子は10日目頃以降の卵がおすすめです。
5.卵のサイズによっておすすめの使い方がある
実は、卵のサイズが大きくなっても卵黄の大きさはほとんど変わりません。茶碗蒸しやプリン・ケーキなど食感や色を楽しみたい場合は黄身の比率が高いSサイズがおすすめです。
一方で、卵かけごはんなどで黄身と白身のバランスを楽しみたい方、きれいなゆで卵を作りたい方はMS・Mがおすすめ。逆に、メレンゲ作りには白身の量が多いL・LLの卵を使うと作りやすくなります。
身近なのに意外と知らないタマゴの常識、いかがでしたか。最近では、冷蔵で30日間日持ちする便利な商品「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」(キユーピー)もありますから、うまく活用して美味しく食べたいですね。
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