<人間として最低限守らなければならない行為>に関しては「法律」で定められていますが、<社会生活を送る上で、他人を不快にさせないための行為>の多くは「マナー」「礼儀」として、親族や友人から教えられるのみに留まっています。

生きていく上では、この「マナー」はとても大切なもの。それにもかかわらず「別に自分が困らなければいい」「マナーなんて面倒くさい」とばかりに無視する男性が(女性も!)少なからず存在します。そこで今回は、「気になってはいたけれど、直るだろうと思って結婚したら、まさかの“地雷物件”だった!」というふたりの女性に、その経験を語っていただきました。
 

静かな食卓に響くクチャクチャ音に悶絶

京都府在住の林みやこさん(仮名・28歳)は、結婚からわずか1週間で離婚を決め、半年後に離婚が成立しました。ご両親から結婚を反対されていたものの、当時のみやこさんは反対されればされるほど燃え上がり、反対を押し切って結婚にこぎつけたと振り返ります。
 

「11歳年上の元夫は、いわゆるイケメンで、関関同立出身、大阪にある大手電機機器メーカーに勤める、いわゆる“3高”な男でした。友人の紹介で付き合いはじめたのですが、まだ26歳だった私にとって、元夫はとても優れた大人の男性に映りました。デートを重ね、結婚の話が出て、いざ両親に紹介を……となり、元夫を実家に呼んで簡単な食事会を行ったんです。ところが……。
 

その日を境に両親はなぜか結婚に猛反対するようになり、私は『どうして? 会うまでは、ふたりともあんなに乗り気だったのに!?』と青天の霹靂状態。父母に反対する理由を聞いても『顔がよく、学歴も社会的な地位もある男性が、なぜ30後半になっても独身だったのか、それを考えてみなさい。彼のことを、今一度よく見直してみなさい』と言うだけ。言いがかりだ! 娘の幸せを望まないなんておかしい! と感情にまかせて、式も挙げずに入籍してしまったんです」
 

その後、実家を出て元ご主人と暮し始めたみやこさんでしたが、両親が歯切れ悪くも猛反対の姿勢を崩さなかった理由がすぐに分かったといいます。
 

「今思い出してもゾッとするのですが……彼、いわゆる『クチャラー』だったんですよ。そこまで大きな音を立てるわけではないので、実はそれまでまったく気付かなかったのですが、食べ物を口に入れて噛み始めたときは口を閉じているのに、3回、4回、5回と咀嚼を続けていくごとに口が半開きになって、クチャックチャックチャッて音を立て始めるんです。気付いた瞬間、ゾワワ~ッと鳥肌が立ちました。
 

「お願いだから、クチャクチャ食べないで」と注意をしたのですが、彼は『別に俺は、おまえが音を立てて食べようが気にしない』だの『マナーなんて誰かが勝手に考えたもの。守らなくても死なない』だのと、愚かな返答をするばかり。そのうち、音が気になって気になって、一緒に食事をすることすらしんどくなり、離婚を切り出しました。
 

私が結婚前まで気付かなかったのは、どうやら、必死になって抑えていたからだったようです。元夫は最後まで『音を立てて飯を食うくらいで! 神経質な奴!』と怒っていました。両親は敏感に察知して冷静に判断していたんですよね。ああ、両親は、こんな人だから結婚を止めたんだ、って。本当に恥ずかしい話なんですが、私自身が本当の彼をまったく“見て”いなかったのだとようやく分かったんです」
 

レストランでナイフをベロリ。その姿に発狂寸前に

福岡県在住の神谷東子さん(仮名・32歳)もまた、夫のマナーの悪さに耐えられず、2年かかって離婚にたどり着いたといいます。
 

「私の元夫は、箸使いがおかしいというか、壊滅的で……。結婚する前から何度も何度も注意したのですが『そんなに嫌なら俺と一緒にご飯食べなきゃいいじゃん』『うるせぇなぁ。じゃぁスプーンで食ってやろうか?』とのらりくらり。しかも、持ち方だけでな箸を口の中に突っ込んでベロベロと舐める、いわゆる“ねぶり箸”をする人で、見ているだけで食欲がなくなるほどでした」
 

それでも、愛があればいつか自分のために改善してくれるだろう。そう信じていたという東子さんでしたが、改善されないまま結婚し、数ヶ月が経ったある日のこと。東子さんのお誕生日にちょっと良いお店でレストランに出掛けた際に、決定的なことが起こったといいます。
 

「箸を使う店じゃなければ安心して食事ができる。そう思って、お洒落なイタリアンに出掛けたんです。元夫も最初のうちは丁寧にカトラリーを使っていました。でも、赤ワインを数杯飲んで緊張が解けたのか、お肉を切ったナイフを突然口の中に突っ込んで、ベロベロと舐めまわしたんです。私は思わず発狂しそうになって『ちょっとトイレ……』と告げて席を立ち、その足で実家に帰りました。
 

元夫からは非難轟々の電話がかかってきましたが、あの、ナイフを舐める瞬間の、悦に入った元夫の顔が浮かび、吐きそうになるほどムカムカして、その後はとてもじゃないけれど元夫の顔をまともに見られませんでした。一応『箸使いやマナーを改めてくれたら離婚は考え直す』と譲歩案も伝えたのですが『え~、そんなこと言うと、俺、家に帰りにくくなっちゃうじゃ~ん』とニヤニヤしながら言ってきて、その顔がまたとんでもなく気持ち悪くて、ムカつきを通りこして、弁護士事務所のトイレに駆け込みました……。
 

元夫がゴネにゴネたため、2年もかかってようやく離婚できたのですが……箸使いの悪い人、マナーが身についていない人はいわゆる“地雷物件”なんだと理解することができました」
 

マナーは親など身近な人から教えられて身につくもの。逆を言えば、マナーがなっていない人は、親から正しく教育を受けていないか、他人の言うことを真剣に受け取ることができない我がままな人間か、親身に注意してくれる人がいないほど人間性がダメである可能性が高いもの。周囲を不快にさせていることに気づかず、気づいてもなお正そうとしない人は、男女ともに「地雷物件」認定で間違いないでしょう。
 

マナーを守るか否かは個人の価値観にすぎませんが、この価値観の差が、結婚したのちに修復しがたい亀裂を生むこともあります。マナーは、その“人柄”をはかるものさしであることを、近い将来結婚を考えている方は、ぜひとも覚えておいてください。