コロナ関連の支援策、フリーランスの場合はどう利用する?

コロナ影響関連の支援策が矢継ぎ早に発表され、現在は受付も始まっています。利用したいけれど、どの制度を利用したら良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。

支援策の対象者は働いている立場でも異なりますし、必要とする支援策も違います。

今回は個人事業主の方を例に、家計簿からどんな支援策を利用すれば良いか、また節約可能な項目があるのかみていきましょう。
 

「4月、5月は仕事がなく、6月から減収しそう……」

今回シミュレーションするのはフリーランスで働くAさんの世帯です。

▼シミュレーションの内容
相談者:Aさん

相談内容「私は現在フリーランスで仕事をしています。3月まではお仕事が少しあったのですが、4月、5月は予定していた仕事がなくなってしまい、2カ月間収入がゼロになります。報酬を受け取るのは仕事した月の2カ月後なので、6月から減収されてしまう中での生活、それに今後の仕事も復活できるのかも含めて不安ばかりです」

  • 2019年の事業収入:540万円
  • 5月収入:10万円/6月収入:0円
  • 配偶者(パート) :月収10万円
  • 子ども:長女13歳、次女10歳
  • 貯蓄:150万円

取引先から今後の補償もないとのことですから、数カ月は減収の中で家計を回していかなければならないとなると不安は募るでしょう。

▼Aさん一家の4~6月家計簿
Aさん一家の4~6月家計簿は次の通りです。

 

家計簿から家計を改善できる方法はある?

Aさんについては、2月から少しずつお仕事に影響が出てきたとのことですが、家計の足しにとしていたAさんの妻のパート収入が、現在は家計を支えている側になりました。

固定費で削る項目があるとすれば、通信費と保険料でしょうか。例えば、携帯電話を格安SIMに変更すると、回線が遅いというデメリットもありますが、月々の料金は2000円以下(データ量にも関係)になることがあります。生命保険は数年前に加入された終身保険ということでしたので、掛け捨てタイプの定期保険に変更することで保険料が抑えられます。

収支は5月から赤字となり、6月、7月はAさんの事業収入が0円ですので、このままですと貯蓄を取り崩していくことになります。お子さんの高校受験が控えていることを考慮すると、できるだけ貯蓄に手をつけないようにしたいところです。
 

利用できる給付金、支援制度はどれ?

まずは利用できる給付金、支援制度の確認をしていきましょう。

  • 特別定額給付金:一人10万円の給付(★)
  • 子育て世帯への臨時特別給付金:子ひとり1万円追加(★)
  • 持続化給付金(★)
  • 国民健康保険料免除申請
  • 電気・ガスの支払猶予

★で示した制度は給付金制度ですので、対象となれば申請することで受け取れます(子育て世帯への臨時特別給付金は現存の子ども手当が増額)。
 

「持続化給付金」はどんな制度?

持続化給付金は個人事業主の収入のタイミングや確定申告の青色申告・白色申告によって対象月の算定方法が違いますので、詳しくみていきましょう。

▼対象者
新型コロナウイルス感染症の影響により、ひと月の売り上げが前年同月比で50%以上減少している事業者。

▼給付額
法人:200万円、個人事業主:100万円
※昨年1年間の売り上げから減少分を上限とします。

前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12カ月)

▼必要書類

  • 2019年(法人は前事業年度)確定申告書類
  • 売上減少となった月の売上台帳の写し
  • (個人事業主の皆様)身分証明書の写し

※他書類が必要な場合もあります

▼申請方法
持続化給付金のHPから申請

Aさんの場合6月と7月の事業収入が0円の予定ですが、現時点で申請する場合は5月分が対象月となります。5月と6月、どちらを対象月とするかで申請のタイミングが変わってきます。

▼給付額の青色申告の算定式
青色申告の給付額算出方法は昨年同月比になりますが、青色申告をしていても決算書を提出していない場合は、白色申告と同じ算定式になります。

<Aさんの対象月:5月>
2019年5月の収入は40万円、2020年5月の収入は20万円。よって50%減少となり対象月になります。

2019年の年間事業収入540万円-20万円×12=300万円>100万円(上限額)

<Aさんの対象月:6月>
2019年6月の収入は45万円、2020年6月の収入は0円。よって50%減少で対象月となります。

2019年の年間事業収入540万円-0円×12=540万円>100万円(上限額)

▼給付額の白色申告の算定式
白色申告は昨年同月比の決算書がありませんので、対象月を年間の事業収入÷12で算出し、50%以上減少であるかを判断します。

Aさんの場合、540万円÷12=45万円より収入が50%減少した月が、持続化給付金の対象月となります。
 

減収となったフリーランスのAさん。どう対処すべき?

Aさんが持続化給付金を申請する際は、5月と6月、どちらを対象にしても給付額は変わらないようですので、5月を対象月として早めに申請された方が良いでしょう。

またコロナの影響で国民健康保険の支払に困難が生じたときは、減額や免税になります。各自治体によって減免制度の計算方法は異なりますので、相談窓口にお問い合わせください。

そして光熱費などに関しても電気・ガス事業者に支払猶予等を相談できます。ご利用されている電気・ガス会社にお問い合わせください。

▼Aさん7月以降の家計簿の対策ポイント

  • 特別定額給付金40万円(世帯)
  • 子育て世帯への臨時特別給付金2万円
  • 持続化給付金100万円
  • 携帯代の見直し
  • 保険の見直し

上記の対策を行ってもなお、家計が厳しいと感じたときは、国民健康保険料免除申請や電気・ガスの支払猶予なども検討していきましょう。

この記事を執筆したのは……

荻野 奈緒美
株式会社MILIZE所属のCFP認定者。フリーアナウンサー。WOWOWアナウンサーを経て、その後フリーに転身。NHKBS「週刊シティ情報」などを担当し、講演会・イベントでのMCなど多方面で活躍。経済番組に出演したのをきっかけにFP資格を取得。 現在はFPとして相談業務や執筆活動も行っている。
 

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