コロナで収入減、家計が赤字に…「子あり家庭」はどう対処する?

新型コロナウイルス感染症の影響で、収入が減ってしまった家庭をモデルケースに、受けられる行政からの支援と支出の見直しの紹介を行います。支援と支出見直しの結果、家計簿がどのように変わったのかも紹介いたします。

新型コロナウイルス感染症の影響で赤字に……どう対処する?

新型コロナウイルス感染症の影響は様々な業種に広がり、収入が減少している世帯が増えてきています。インバウンド需要を期待していた業種等は、緊急事態宣言が出される以前の2月から厳しいものがありました。今後の見通しも立たず、不安を余儀なくされていることと思います。
 

国や自治体の新型コロナウイルス感染症に関する救済措置で、どのくらい家計が保てるのかを、小学生の子どもがいる3人家族のケースで考えていきましょう。
 

子どもの学校が休校で、妻のパート収入が減収したケース

この世帯の、昨年の3月の家計簿と今年の3月の家計簿を比べてみましょう。

奥様は、パートで夫の扶養内で働いていましたが、子どもの小学校が休校になり、パートを休まざるを得ず、収入が激減してしまったようですね。変動費を抑えることでやりくりしようとしているようですが、奥様の収入がなくなってしまったダメージは大きいですね。
 

受けられる行政からの支援は?

このような際に、受けられる支援はないのでしょうか。4月21日現在で以下のような支援を行政から受けられます。
 

▼児童手当が1万円増額される

中学校卒業前の児童を養育している場合、子どもの年齢に合わせ、児童手当が支給されていますが、この金額が1万円増額されます(一部所得制限あり)。児童手当は2、6、10月に支給されますので、早ければ6月にも支給される見込みです。
 

▼小学校休業等対応助成金(事業主からの手続き)

子どもの小学校等が臨時休校となり、子どもの世話を行う必要が生じた従業員に、有給の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主は、補助金の対象となります。今回の奥様のようなパート従業員も対象となりますので、パート先に確認されると良いでしょう。
 

現状では、この世帯は以上の支援を受けられるでしょう。しかし、今後の情勢が不透明な中、行政からの支援のみでは家計の改善も限界があるでしょう。
 

そこで同時に支出の見直しも行っていきましょう。今回気になったのは、通信費と運用資金です。
 

通信費を見直す

ご夫婦2人分で2万円の携帯料金ということは、大手キャリアを利用していると思われます。特に大手キャリアを使用している理由がないのであれば、格安スマホ等に乗り換えるのがおすすめです。

例えば最近話題となっている新キャリアとなった楽天モバイルのプランでは、月々2,980円と大変お得です。楽天モバイルのエリア内なら通信量の制限がないと評判です。

その他のブランドも検討し、最も自身にあったものを選ぶと良いでしょう。
 

運用資金を見直す

今回のご家族の場合、毎月しっかり積み立てていくということを感じられ、とても素晴らしいと思います。


それでも、毎月赤字になるのでは、本末転倒なので、無理のない範囲で見直しは行いましょう。
 

例えば、iDeCoなら掛金の拠出を止めることもできますし、拠出額は5,000円以上1,000円単位で変更することもできます。iDeCoを利用している場合、掛金は60歳まで引き出すことができなくなりますので、拠出額はよく考えた上で、決めることが大事です。
 

以上の支援策・支出の見直しを行った家計簿を見てみましょう。
 

月間収支を黒字に改善できました。手元に現金を普段より多めに残し、今後どうなるかわからない情勢に備えるのが良いでしょう。
 

最後に

新型コロナウイルス感染症に関する支援策はお住まいの自治体によっても異なりますし、国の支援制度も日々変わっていきます。必ず最新の情報を各省のHPなどでチェックしていきましょう。MILIZEでも今後は、最新の新型コロナ支援策情報をお届けできるように努めてまいります。
 

この記事を執筆したのは……

木村 拓人

株式会社MILIZE所属のAFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅建合格者。大学卒業後、大手信販系クレジットカード会社に就職。債権回収部門にて、支払の相談・顧客カウンセリングを担当。一企業の利益のためでなく、顧客目線で必要な情報を提供したいという考えから、株式会社MILIZEへ転職。現在は、人生設計ツールの開発に従事。
 

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