咳で豹変?「不要不急」の外出自粛で見えた本質、“不要”なママ友

「緊急事態宣言」が国内7都府県に4月7日に発令。日本は緊迫した様相を呈しています。緊急時にこそ人それぞれが持つ“本性”がバレるもの。新型コロナの影響は思わぬところに波及し、仲の良かったママ友との間に亀裂が入ったというママが続発しています。

不要不急の外出を自粛するよう促す「緊急事態宣言」が、4月7日、国内7都府県に発令され、他の道府県でも独自に自粛要請を出すなど、新型コロナウイルスにより、日本は緊迫した様相を呈しています(4月中旬現在)。ところで、こうした緊急時にこそ、人それぞれが持つ“本性”がバレるもの。新型コロナの影響は思わぬところに波及し、ママ友コミュニティでもトラブルが続発しています。

実家に“コロナ疎開”したら、ママ友から逆恨みLINE

「あんな人と友達でいたなんて……自分のバカさ加減に泣けてきました!」
 

そうヒートアップしたのは、3人の子どもを育てる埼玉県在住の汐里さん(仮名・32歳)。真ん中の子どもが幼稚園に通っていた際に仲良くなったママ友と、かれこれ3年ほど、家族ぐるみのお付き合いをしてきたといいます。
 

「新型コロナの影響で小学校が休みになり、不要不急の外出を自粛することになったので、同じ県内にある実家に疎開することにしたんです。私の実家は、すぐ裏手に山があるような田舎町にあります。隣の家まで歩いて10分くらいかかるようなところで、観光客が立ち寄るような場所でもなく、ここなら感染の危険もないと思い、いわゆる“コロナ疎開”を決めました。
 

夫もテレワークになりノートパソコンとネット回線さえあれば問題なかったので、家族そろって実家に帰ったのですが……、それが面白くなかったようでママ友からは非難轟々。驚くほど乱暴な言葉が連なったLINEが送られてきたんです。何じゃこりゃ?と思ってスルーしていたのですが、しまいには『ウチの子どもたちも一緒に疎開させろ!』みたいなことを言い出して……」
 

汐里さんのLINEを見せていただくと、最初のうちは「疎開いいなぁ、田舎に実家があるなんてうらやましい」「もしそっちで買えるようなら、マスクとトイレットペーパーを送って」という言葉だったものが、日を追うごとに変化を見せ「田舎者は二度と帰ってくるな!」「ウイルスを田舎にバラまくつもりか!」「今すぐに戻ってきて、アンタんちの子どもと遊べなくて泣いているウチの子どもに謝れ!」「自分たちだけが良ければそれでいいのか、クソ家族!」……と、最後のほうは、思わずそのママ友さんの精神状態を疑ってしまうほどの罵詈雑言が並んでいました。
 

「いくらなんでも、他人の家のことまで面倒は見られませんから、もちろん、こちらに呼ぶことは考えていません。LINEをブロックしたいのですが、夫から『ここでブロックして、あることないこと周囲にバラ蒔かれると困るのはウチ。そのまま苦情を受け取っておいて、すべて証拠として集めておいたほうがいい』と言われたのでブロックせずにいます。LINEは通知オフ設定にして未読スルーで対応するようにしたので、だいぶストレスは減りましたが……あんな風に人が変わるとは……」
 

えっ! 電話から新型コロナがうつる……!?

先の汐里さんのような被害こそないものの、開いた口がふさがらないほどの衝撃を受けたというのは東京都在住の伊知子さん(仮名・38歳)。
 

「下の息子が保育園に入っていて、その関係のママ友たちとLINEで繋がっているんです。普段は、保育園のイベントなどいろいろな情報をやり取りする感じなのですが、新型コロナの影響で保育園が閉鎖するかも……という情報が流れてきたので、ママ友の中でも割と仲が良いと思っていたママにLINE通話してみたんです。閉園になったらどうする? パート休めるかな? とか、そんな話をしていたとき、私、咳をしちゃったんですよ」
 

伊知子さんがいうには、咳はそこまでひどいものではなく、ゴホゴホッと数回続いただけとのこと。もともと花粉アレルギー持ちで、鼻水や目のかゆみだけでなく咳も症状として出るので、伊知子さんは気にせず話し続けようとしたのだとか。しかし――
 

「急にママ友の声が変わったんです。『なに電話口で咳なんかしてるのよ! 新型コロナがうつったら、どうしてくれるの!?』って金切り声で叫ぶやいなや、次の瞬間には通話が切れてました。私はスマホを持ったまま、しばらくボーゼン。え? 電話なのに? ウイルスって電波で感染するの? どういうこと?……って(笑)。今思えばバカバカしい話なんですが、その瞬間は本当にびっくりしてしまって、私が非常識だったのかな、謝らなくちゃ、でもどうやって?って、パニックになってしまったんです」
 

「緊急事態宣言」で見えた本質、不要なママ友

テレワーク中のご主人が横でそのやりとりを見ていたようで「伊知子、大丈夫? どうかした?」と聞いてきたため、伊知子さんは通話中の内容をそのままご主人に説明。すると、普段は優しいご主人が真顔になり、ため息まじりにこう言ったといいます。
 

「そのママ友とは、もう付き合うのはやめなさい」
 

汐里さんも伊知子さんも、新型コロナの影響によりどうやら【不要ママ友】や【不急のコミュニケーション】を判断できた様子。こういう非常時にこそ、きちんと助け合える人を見極め、友達関係を続けていくことが必要ですよね。
 

「ウイルスよりも怖いのは、人間だ」――なんてことが“当たり前”の世の中にならないように、思いやりの心と、正しい知識を身につけましょう!

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