新年度が近づくと、「そろそろ塾を」と考える家庭は多いものです。

大切なわが子の通う塾ですから、どこにするかをあみだくじで決めるわけにもいきません。「よっしゃまずは下調べ」とはりきってチラシやホームページに目を通し、だいたいの親は天を仰ぎます。ヤダ、びっくりするぐらいよいことしか書いてない!

広告ですから当然といえば当然。そこで今回は、塾のチラシの“正しい”読み解き方を元塾講師の立場から紹介します。
 

要注意1. 合格実績に潜む数字のマジック

「信頼の合格実績」「難関校にも合格者多数!」とチラシに躍る文字を見ると「運命の塾! うちの子も続け!」と、つい前のめりになりますが……。

実は、多くの塾は受験者の分母を明らかにしていません。超難関校に合格した人数が10人だったとして、「100人中10人合格」と「1000人中10人合格」では大きな違いです。

なかには合格者数の年度を明記していない塾も(!)多くあります。直近年度の合格者数かと思いきや、実は“歴代合格者の合計”だったなんてケースは珍しくないのです。入塾してから「話が違う!」とならないよう、数字のマジックには注意しましょう。
 

要注意2. 「マンツーマン」表記なのに1対1じゃない?

個別指導と聞くと「講師1人に対し生徒1人」を想像する人も多いかもしれませんが、実際には1対2や1対3が主流ですし、なかには1対5なんてケースもあります。もはやただの少人数制クラス!
 

私は以前、仕事の関係で全国数百にわたる塾のホームページをチェックしました。その際、「マンツーマン」「完全マンツーマン」をバーンと謳っておきながら、実際には1対1ではない塾を何件も見かけました。
 

つまり一部の塾において、「マンツーマン」とは「お子さんをなるべくしっかり見ておくからね!」という決意表明に過ぎないのです。
 

要注意3. 曖昧すぎる「プロ講師」の定義

「うちの塾は全員プロ講師です!」と自信たっぷりに謳っている塾も少なくありません。しかしこの「プロ講師」、なにをもって「プロ」なのかは怪しいのが正直なところ。
 

なかには「プロ講師の“プロ”とは、学生ではないということ」程度の意味しかない塾も。講師が正社員であることを売りにしている塾は、「正社員講師」と明記する傾向にあります。

なお、アルバイトでも指導力の高い講師はいますが、残業代なしが大半なので授業外のフォローは期待できません。
 

要注意4. 席がないのに「自習室常時開放」って!

塾は授業を受けるだけでなく学習習慣を身につけるところでもありますから、自習室を常時開放している塾は魅力的です。
 

ところが、「常時開放しているって聞いていたのに、実際には希望したときに自習室が使えない!」なんて嘆きもよく聞きます。席数が少なくて希望者全員が座れない塾、事前予約制をとる塾もあります。

ちなみに、生徒を放置しっぱなしで私語がはびこる自習室もあれば、定期的に巡回し教材の配布や質疑応答まで手厚く対応している自習室もあり、同じ自習室といっても塾によって天と地ほどの差があるのが実情です。
 

要注意5. 授業料は安いのに出費が多い!

コストパフォーマンスのよい塾に入りたいのは皆同じです。でも、「ここ授業料が安い!」と勢いで塾を決めるのはキケンな行為。
 

塾にかかる費用は授業料だけでなく、入会費や教材費、設備維持費、季節講習費、イベント参加費など追加で出費が発生することがままあります。のちのち困惑しないよう、塾に出費の詳細を確認しておきたいものです。
 

ブラックな塾は指導力も

チラシやホームページの情報を鵜呑みにしてしまうのも、オススメできません。見学時に「実情はどうなのか」と突っ込んだ質問をしてみるのが一番です。ちなみに私のおすすめは、塾のホームページの「採用情報」をチェックすること。講師の待遇が悪い塾によい先生は集まりませんから……参考にしてみてくださいね。