息子が連れてくる嫁に対してどんな感情を抱くかは、そもそもの母親(姑)と息子の関係性だけでなく嫁自身の性格もまた大きく影響します。現代の姑世代が感じている嫁への不満とは、いったい全体、どんなものなのでしょうか?

鳴り物入りで嫁いできた嫁の実態は……?

「息子の結婚の顔合わせのとき『ウチの娘は、こう言ってはなんなんですが、料理が得意だし、掃除も洗濯もお手の物。人当たりがよくて友達も多いし、なにより某国立大を卒業しているんですよ。こんな素晴らしい娘と結婚できるなんて、お宅の息子さんは果報者よね~』って、お嫁さんのお母さんから言われたんです。自分の娘のことをそこまで言うか?とは思ったのですが、まぁ、実母がそこまで言うのであれば、さぞかし素晴らしい女性なのでしょう。であれば、息子は本当に果報者だわって……そのときは、主人とただただ喜んでいました」
 

東京都に住む小堀瑛子さん(72歳・仮名)は、ため息まじりに話し始めました。
 

「でも、蓋をあけたら……料理は確かに作れるけれど、めったに作らない上に、ソースを絡めるだけの野菜炒めや、レンジでチンするだけの惣菜がメイン。洗濯や掃除は、きっちり50/50で息子と分担です。ならば、さぞや立派な仕事に就いてバリバリ働いているのかと思いきや、結婚とともに仕事を辞め、週2日、半日だけのパートに転向。それでいて『本当は専業主婦になりたかったのに、息子さんの稼ぎじゃ、お小遣いも出ないから、仕方なく働いているんです! もっとお金を稼いでくるよう、お義母さんから息子さんに言ってください!』なんて言うんですもの。本気で驚いたわ」
 

ふと心配になり、「それで、ごはんはどうしているの?」と息子に尋ねると、
 

「嫁は嫁で自分で作って食べてるみたいだから知らない。俺のほうは、夕食の予算は500円までって言われてるんだよね。だから、カップ麺を買って帰る日もあれば、駅の近くにあるどんぶり物のお店で398円のお弁当を買うときもあるよ。朝は冷凍のごはんをチンして、納豆かけて食べてる」
 

という返事が……。
 

まさか自分の息子が結婚後、嫁からこんな虐げられた生活をしていたなんて……と、瑛子さんはご主人に向かってボヤいたといいます。
 

「それでも息子が選んだ人なのだから、きっと、どこかに良いところがあるのだろう。それは我々には分からないことだから、優しく見守ろう。そう夫が言いました。私も、確かにそうだ、ちゃんと人柄を見極めなきゃダメだと思って、息子夫婦への口出しは一切しませんでした。
 

その後、孫が生まれましたが、会わせてもらえるのは年に1~2度程度。でも、イマドキのお嫁さんはそんなもの。干渉しちゃいけないのだと、姑世代の仲間たちと話題になったことがあったので、とくにこちらからアプローチをすることもなく過ごしていたんです。でも……どうやら息子のほうに、嫁に対する不満が少しずつ溜まってきていたみたいなんですよ。私は息子の母親なのに、そのことに気づいてあげられなくて……」
 

ついに爆発した息子の不満

「実は……離婚したいと思ってるんだよね」
 

久しぶりに単身で里帰りしたと思ったら、息子は瑛子さんにそうこぼしたといいます。
 

仲睦まじく暮らしていると信じていたからこそ、これまで嫁の態度に文句を言うことなくきたのに……と、悲しみのあまり息子に理由を問いました。
 

「だって……アイツ、自分の親には週に2回も3回も子どもたちを会わせに行くんだよ。俺が、オヤジやお母さんにも子どもを会わせたいって言うと『忙しいから無理』って言うんだ。それなら、俺と子どもたちで行ってくるって言ったら『なんでそんなひどいことができるんだ!』って……もう、意味が分からなくて。
 

それに、最近は子どもと自分のごはんだけ作って、俺の分はゼロ。月3万円の小遣いから、朝、昼、夜の3食をなんとかしろって言われるようになって……。朝は何も食べずに会社に行って、昼は社食で400円の定食を食べて、夜は398円の弁当を買って……ってやってきたんだけど、なんだかバカバカしくなってきちゃったんだよね。俺って……アイツにとって、いったい何なんだろう?って」
 

そんな息子の言葉に、手がワナワナと震えるのを隠せなかった瑛子さん。冷蔵庫のありったけの材料を使い、ハンバーグや唐揚げ、サバの味噌煮など、息子が大好きだった料理をたくさん作り、テーブルの上に並べ、息子に食べさせたといいます。
 

離婚を切り出した息子。しかし……

「この時点で、一筋縄ではいかないお嫁さんだとは理解していたんです。でも、息子が離婚を切り出したら、とんでもないことを言い出して……」
 

思い出しながら、瑛子さんは身震いをして続けました。
 

「『離婚なんて、絶対にしない! どうしても離婚すると言うなら、子どもを殺してやる!!』……彼女は、息子にそう言い放ったそうなんです。それを聞いて愕然としました。自分にとって何にも勝る子どもという宝。それを、『殺してやる』と言ってのけるなんて……脅しにしてもありえませんよ」
 

息子さんは子どもの安全ために離婚を諦め、しぶしぶ、現状を受け入れているのだそう。瑛子さんはこっそり息子さんにお小遣いを渡し、せめて野菜ジュースだけは毎日飲むようアドバイスしているといいます。
 

「昔は、家を守るという古い考え方があり、姑のほうに問題があってお嫁さんから怖がられたり嫌がられたりすることが多かったと思います。でも今は『結婚したら何もかも自分の自由になる!』と思っているお嫁さんが多くて、本当に怖いです。先日、友人から教わったのですが、イマドキはウチのお嫁さんみたいな人を『ハズレ嫁』って言うんですってね。まさか自分の息子が、そんな嫁に引っかかるとは思っていませんでしたが……」
 

瑛子さんに言わせれば、同様の悩みを抱える姑世代が増えているとのこと。「ハズレ嫁」で苦労しないためにも姑も、時として昔のように強く出ることが必要なのかもしれません。