「性病?恥知らずな!」義母の罵詈雑言が家庭崩壊の引き金に…

多くの女性を悩ませている「不妊」。その原因のひとつに挙げられるのが「性病」です。自分自身はどんなに気をつけていても、夫(男性側)の油断で、悲しい結果を招いてしまうことも……。

多くの女性を悩ませている「不妊」。その原因のひとつに挙げられるのが「性病」です。自分自身はどんなに気をつけていても、夫となる男性側に油断があると、悲しい結果を招いてしまうことも……。

新婚旅行から帰宅。目の前に積み上げられたものは……

今回の主人公は、群馬県在住の川村早紀さん(32歳・仮名)。
 

「田舎ではありがちなことなのですが、私は、23歳という若さで結婚しました。相手は、高校時代から付き合っていた人で、ちょっと頼りないけれど、誠実で優しい人でした」
 

そんな早紀さんに、結婚早々から大きな問題が降りかかります。
 

「『俺が大学を卒業して就職したら、すぐにでも結婚しよう!』っていうのが、彼の口癖。私も、双方の家族もそれを受け入れ、彼の望む通りに入籍したんですよ。お互いにまだ23歳なので、しばらくはふたりの生活を楽しみ、子どもは25歳を過ぎてから改めて考えようって話もしていました。でも、結婚したとたん、お姑さんが『孫! 孫!』って、すごい勢いで孫コールを始めちゃって」
 

新婚旅行から戻り、改めて婚家に挨拶に行った早紀さん。その前に並べられたのは、大量のベビーグッズだったといいます。
 

「びっくりしました。何がびっくりしたって、夫がそれを知っていたことなんです」
 

驚きのあまりご主人を見た早紀さん。ニヤニヤと笑いながら、
 

「母さんにもまいっちゃうよなー、俺もがんばらないとなー」
 

と言う彼に対して、怒りしか浮かんでこなかったそう。
 

「家に帰ってから、夫を問い詰めました。子どものことは25歳を過ぎてから考えるんじゃなかったの?なぜ、ベビーグッズを勝手に買っているの?って。そしたら夫は『母さんがやりたいんだから、勝手にやらせておけばいいだろう? それに、子どもなんていつできるかわからない。別に25歳まで待たなくてもいいだろう』って言うんですよ。だから言ったんです。『あなたの希望で23歳という若さで結婚した。子どもは私が産むものなんだから、私の希望を通させてもらう。25歳までは絶対に生みたくない!』って」
 

“セックスレス”という名のお仕置き

それまで、優しくて誠実だと思っていたご主人の態度が変わったのは、その瞬間からだったという早紀さん。家の中での会話は最小限になり、『子ども、いらないんでしょ? だったら、する必要ないだろ』と、夫婦関係はゼロに。
 

義実家からの「孫はまだ?」攻撃は止むことなく続き、半年ほど経った頃には、心が病みかけていたという早紀さん。
 

「仕方なく私から折れて、夫に謝ったんです。それで、以前よりは少ないですが夫婦生活もある程度戻り、会話も戻りました。でも、それから1年経っても妊娠できなくて、今度は『おまえが“いらない”って思ってるから、妊娠しないんじゃないのか?』って、夫から責められるようになったんです」
 

義実家から「結婚して1年以上経つのに子どもができないなんて、欠陥があるんじゃ? 病院に行ってみなさい」と言われ、有無を言わさず、義母が懇意にしている地元の婦人科へ連れて行かれたという早紀さん。すべての検査に義母が同席するという辱めを受けながらも、我慢しながら診察を終えると、卵管に障害があることがわかったといいます。さらに、医師からはとどめのひと言が。
 

「クラミジア(性感染症)が原因で、卵管障害を起こしているのだと思います。まずはこちらから、治療していきましょう」
 

高校時代から結婚後まで、ご主人以外の男性と性交渉をしたことがなかった早紀さんにとって、青天の霹靂とはまさにこのこと。
 

「早紀さん、あなた、性病なんかにかかっているの!? 恥知らずな!!」
 

うるさく騒ぎたてる義母の前で、仕事から戻った夫を問い詰めると、レスだった間、風俗に通っていたことが判明しました。しかし、夫は開き直るばかり。
 

「で? 治れば子どもをつくれるんでしょ? 早く治療してきなよ」
 

早紀さんは思わず泣きそうになりましたが、追い打ちをかけたのが義母。
 

「もう離婚なさいよ。性病で子どもが産めない嫁なんて、要らないわ」
 

要らない嫁が捨てたのは“もっと要らない”夫と姑

「夫が原因なのになぜ?って思うと同時に、まるで他人ごとのような夫が、モンスターに見えました。そもそも主人のほうも治療が必要なはず。それなのに私だけを責める義母もモンスターですよね」
 

早紀さんはスクッと立ち上がると、義実家から押し付けられたベビーグッズをすべてベランダから外に投げ捨て、大声で喚く義母と夫を背に、荷物をまとめて実家へ。両親の顔を見た瞬間、嗚咽をあげて泣き崩れてしまったといいます。
 

「父母に励まされながら離婚準備をし、それと並行してクラミジアの治療をしました。早々に卵管の治療も行ったおかげで、今の夫との間に、無事に2児をもうけることができました。
 

あのとき、卵管に異常がなくて妊娠していたら、今でもあのモンスター親子に縛られていたと思うと、クラミジアが助けてくれたのかも?という妙な気持ちになります(笑)」
 

と早紀さん。
 

妊娠を考えるのであれば、夫婦そろって検査を受ける。これは、将来の夫婦間の絆を深める意味でも、大切なことかもしれません。

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