家族ぐるみで旅行に行くほど仲が良かったママ友たちと、お受験をきっかけに亀裂が……! そんな悲しい運命に翻弄された、30代ママのお話をお届けします。

お受験。それはママ友との確執を“生む”イベント

千葉県在住の岩間久美さん(37歳・仮名)。結婚を機に仕事を辞め、ご主人の地元で暮らし始めておよそ10年。その暮らしに十分になじみ、このままこの地に骨をうずめるのかな……そんな未来を見ていたとき、事件は起こったといいます。
 

「いわゆる“お受験”をしたんですよね」
 

疲れ切った青白い顔の久美さんは、熱いコーヒーをひと口飲んだ後、ようやく口を開きました。
 

「私には息子と娘がいるのですが、息子は夫に似て体育会系で、公立の小・中学校へと進みました。娘は息子と同じ公立の小学校に通っていたのですが、息子とは逆に、とても勉強熱心。誰に似たんだろうね、なんて家族でも笑い話をするくらいだったんです。ある日、娘の担任に呼ばれて学校に行くと、『このまま公立の中学校に進ませるのはもったいないと思う。金銭面が許容できるのであれば、私立の難関校を目指してみては?』と言われました」
 

金銭面。この言葉に、久美さんは少し躊躇したといいます。悩んだ久美さんは、夏場には一緒にキャンプや温泉旅行に行くくらい仲がいい、ご近所のママ友グループに相談してみることにしました。
 

「お茶をしながら、あくまでも軽く話をしたんです。先生からこう言われたけど、金銭的に厳しい。だからどうしようか悩んでいる、って。そうしたら、そのママ友グループのうち、ボスママを含む4人が『ウチも同じことを言われた! だから受験させようと思ってるよ』って言うんですよ。
 

なので、ああ、よかった!ある程度成績上位の子に対して、先生は同じことを言ってるんだ!って。そう思いました。ボスママから『みんなで一緒に頑張りましょうよ! ね?』と言われたので、私も、お受験を進めることを決意。その日から、娘と二人三脚で受験勉強に励む日が続いたんです」
 

塾に通わせるべき!とママ友からは言われたけれど、さすがにそこまでのお金はなかったという久美さん。実は難関国立大学卒で、学生時代に家庭教師のアルバイトをしていた経験もあったので、娘さんには自ら指導を行い、娘さんは無事に難関中学に合格しました。
 

「でも……私の考えが甘かったと、その後に気づきました」
 

受験後、ママ友からの無視やイタ電が増加……!

同じママ友グループから受験した5人の子どものうち、受かったのは久美さんの娘さんだけ。そのことで、ママ友グループの辛辣ないじめが始まったというのです。
 

「最初のうちは、お茶に誘われるのが減ったなぁ、くらいに思っていました。そのうち、メッセージの既読スルーやイタズラ電話が増え、近所ですれ違うたびに睨まれたり、椅子に置いておいたカバンをひっくり返されたり。声をかけようとすると、コソコソと逃げるように去っていくようになりました。鈍い私もさすがに『あれ?』と思うようになったんです。
 

娘も同じように、クラスで浮いている気がするって言っていたのですが、あからさまな無視やいじめはなかったようです。娘の卒業式の後、ボスママから呼び出しを受けて家に行くと、ママ友が勢ぞろいしていました。『久しぶり~』って声をかけた途端に罵詈雑言の嵐で……」
 

ママ友たちが言いたいことを要約すると、
 

「なぜウチの子どもにも指導をしなかったのか?」(→塾に通わせていたのでは?)
 

「5人受けてひとりだけ受かった場合、普通は辞退するべき」(→“普通”の意味がわからない)
 

「お金がないと言っておいてひとりだけ受かるなんて、裏金を積んだに違いない」(→さらに意味不明)
 

「それとも女の武器を使ったのか!」(→逆に聞きたい、どうやって?)
 

「今からでも遅くないから、うちの子どもに勉強を無料で教えろ」(→ああ、頭が残念な人たちなんだ)
 

……と。リアルに呆れて、開いた口が塞がらなかったといいます。
 

「もうね、途中から笑えてきちゃって。ああ、私、なんでこんな人たちと友達だったんだろうって思ったら、一気に気持ちが冷めてきちゃったんです。『皆さんの言いたいことはわかりました。でも、言うことは聞けません』と言って、スタスタと家を出てきちゃいました」
 

以来、そのママ友たちとの付き合いは断絶し、平和な暮らしに戻ったという久美さん。顛末をご主人に伝えたところ、「専業主婦ってヒマなの? バカなの? おまえもそんなバカに染まる前に、働いたほうがいいかもな」と言われ、久美さんは一念発起。隣町で塾講師の仕事を始めたといいます。
 

「ママ友っていうのは、『友達』じゃなくて、ただの『知り合い』でしかないんですよね。そのことが、今回のことでよくわかりました!」
 

ママ友は、あくまでも“近くの他人”。程よい距離を保って付き合う。これがママ友づきあいの極意なのかもしれません。