メジャー移籍の主な方法2つ

現在のプロ野球選手たちにとって大きな目標となっているのがメジャーリーグへの挑戦です。1995年に野茂英雄がドジャースとのマイナー契約を結び、メジャー移籍を果たしたのをキッカケに、毎年のように日本人メジャーリーガーが誕生。1995年から昨オフまでの23年間の間に50人以上の選手たちが海を越えて夢を叶えました。

かつて、日本人選手がメジャーへ移籍する方法は限られた場合のみでしたが、1998年以降はFAでも海外のリーグへ移籍することが可能に。さらにこの年からポスティングシステムが導入され、より移籍しやすくなりました。2019年現在、日本人選手がメジャー移籍をする際はこの2つの制度のどちらかを利用するのがほとんどです。
 

どう違う?ポスティングと海外FA

今オフメジャー移籍を表明した筒香嘉智(写真:AP/アフロ)



今オフ、メジャーへの移籍を表明したのがDeNAの主砲を務めた筒香嘉智と西武の中心選手である秋山翔吾。ともに侍ジャパン入りを果たした日本球界を代表する選手だけにその動向が注目されますが、前者はポスティングシステムでの移籍となり、後者は海外FA制度を利用しての移籍と、そのプロセスが異なります。

海外FAを利用して移籍する選手は通常のFA選手とは違ってドラフト権の譲渡の必要がなく、ポスティングシステムの場合はさらにぜいたく税に含まれないなど、球団側にはメリットがあります。日本人選手側は、どちらの方法で移籍したほうが成功するのでしょうか?
 

ポスティング移籍組は好成績も…!?

検証してみたのは過去10シーズン(2009年オフ~2018年オフ)にメジャー移籍した選手の成績。まずはポスティングシステムを利用して移籍した選手たちを見てみましょう。

選手名(移籍前の球団) 移籍先 契約当時の年齢  移籍初年度の成績
西岡剛(ロッテ) ツインズ 26歳 68試合 打率.226 0本塁打 19打点
青木宣親(ヤクルト) ブリュワーズ 29歳 151試合 打率.288 10本塁打 50打点
ダルビッシュ有(日本ハム) レンジャーズ 25歳 29試合登板 16勝9敗 防御率3.90
田中将大(楽天) ヤンキース 25歳 20試合登板 13勝5敗 防御率2.77
前田健太(広島) ドジャース 27歳 32試合登板 16勝11敗 防御率3.48
大谷翔平(日本ハム) エンジェルス 23歳 10試合登板 4勝2敗 防御率3.31 114試合 打率.285 22本塁打 61打点
牧田和久(西武) パドレス 33歳 27試合登板 0勝1敗2H 防御率5.40

※ポスティングシステムを利用してメジャーリーグへ移籍した選手一覧(過去10年)

かつてはイチロー(オリックス→マリナーズ)や松坂大輔(西武→レッドソックス)らの大物選手がこの制度を利用して移籍。過去10年ベースで見てもダルビッシュ有、田中将大、前田健太など球界のエースともいうべき選手たちがポスティングシステムを利用して移籍し、期待にたがわぬ成績を残しています。多くの選手が伸び盛りの20代で移籍しているため、初年度以降も活躍するケースが目立つのも特徴と言えるでしょう。

しかし、西岡剛が開幕直後に故障して戦線を離脱するなど、この制度で移籍した選手たちは故障に泣かされるケースが多いという嫌なジンクスも。今オフで28歳となる筒香嘉智は過去3年、故障とは無縁で過ごしただけに問題ないように思えますが、メジャー移籍を果たした際、この嫌なジンクスを払拭できるかも注目です。
 

近年の海外FA組はやや小粒!?

続いて海外FA権を行使して移籍した選手を見てみましょう。

選手名(移籍前の球団) 移籍先 契約当時の年齢  移籍初年度の成績
五十嵐亮太(ヤクルト) メッツ 30歳 34試合登板 1勝1敗2H 防御率7.12
高橋尚成(巨人) メッツ 34歳 53試合登板 10勝6敗8S3H 防御率3.61 
建山義紀(日本ハム) レンジャーズ 35歳 39試合登板 2勝0敗1S4H 防御率4.50
和田毅(ソフトバンク) オリオールズ 31歳 13試合登板 4勝4敗 防御率3.25
岩隈久志(楽天) マリナーズ 30歳 30試合登板 9勝5敗2S 防御率3.16
川崎宗則(ソフトバンク) マリナーズ 30歳 61試合 打率.192 0本塁打 7打点
藤川球児(阪神) カブス 32歳 12試合登板 1勝1敗2S1H 防御率5.25
中島裕之(西武) アスレチックス 30歳 メジャー出場なし
田中賢介(日本ハム) ジャイアンツ 31歳 15試合 打率.267 0本塁打 2打点
平野佳寿(オリックス) ダイヤモンドバックス 33歳 75試合登板 4勝3敗3S32H 防御率2.44

※海外FAを利用してメジャーリーグへ移籍した選手一覧(過去10年)

かつては佐々木主浩(横浜→マリナーズ)や松井秀喜(巨人→ヤンキース)といった大物選手がいましたが、過去10年に限ると海外FA権を利用して移籍した選手たちは軒並み小粒な傾向。近年のメジャー各球団は選手の若返りを図るチームが多く、30歳を超えた選手ばかりになる海外FA選手は低迷期から再建中のチームで穴になっているポジションを埋めることが求められます。

そのため投手は中継ぎで奮闘することが多く、野手もレギュラーとしてではなくスーパーサブとして起用されるケースが目立ちます。首位打者、最多安打のタイトルを獲得した秋山翔吾は近年の海外FA選手の中では大物中の大物だけに松井秀喜や福留孝介(中日→カブス)らの様な活躍が期待されます。
 

筒香&秋山の来季に注目!

メジャーでの活躍が期待される秋山翔吾(写真:田村翔/アフロスポーツ



いかがでしたか? 近年はメジャー移籍のプロセスによって選手の成績も微妙に変わっている印象がありますが、今オフに移籍を表明した2人は侍ジャパンでも主力選手として活躍した現在の球界を代表する大物選手。それだけに来季の成績が気になるところです。

筒香嘉智、秋山翔吾の移籍先はもちろん、来季の成績に注目しましょう。