退団者が多い中で唯一残った西武の主砲

12球団最多となる792得点を叩き出し、10年ぶりにペナントレースを制した昨季の西武。しかし、クライマックスシリーズでソフトバンクに敗れて日本シリーズ進出を逃してオフシーズンに入ると、主力選手の移籍が相次ぎました。

まずは主将としてクリーンナップに君臨した打点王の浅村栄斗が楽天へと移籍。かつて正捕手を務めた炭谷銀仁朗も巨人へとFAで去っていきました。年が明けるとメジャー移籍を希望していたエース、菊池雄星がシアトル・マリナーズと契約。なんと優勝チームから主力選手が一気に3人も抜けてしまいました。

もともと西武は主力選手が毎年のように退団していくことでも知られ、過去10シーズン(2009年~2018年)で選手がFA権を行使しなかったのはわずか2回。今オフは3選手がFA権を表明し、2名が移籍しました。

 

今オフFA宣言残留をした中村剛也(写真:ロイター/アフロ)



唯一の例外となったのが中村剛也。FA権を行使した上で西武に残留するといういわゆる「宣言残留」を行ったことで話題になりました。プロ野球選手の評価の基準となっているのは年俸ですが、中村は球団の誠意ある対応にチームに骨をうずめる覚悟を見せ、西武ファンから称賛の声が挙がりました。

しかし、昨季の中村の成績は打率.265、28本塁打、74打点。前年よりも打率は上げましたが2年連続で規定打席を逃すなど全盛期ほどの成績は残せなくなってきました。今季で36歳になるベテラン選手だけにこれ以上の伸びしろがないことを考えると手放しで喜べないものでしょう。

そこで、過去にFA宣言をしたものの、結果的に元のチームへ残留した選手たちの成績をまとめてみました。
 

再契約後に結果を残した三浦大輔

調べたのは2008年オフ~2018年オフにFA宣言後に残留した選手たちの宣言前と宣言後の成績。まずは投手から見ていきましょう。

選手名 球団 FA宣言前の通算成績(実働年数) 宣言残留後の成績(実働年数)
2008年オフ  三浦大輔  横浜  124勝122敗 防御率3.52 (16年/93-08年)  48勝62敗 防御率 3.80 (8年/09-16年) 
2011年オフ  篠原貴行  横浜  3勝0敗 19H 防御率3.67 (2年/10-11年)  1勝3敗 16H 防御率4.91 (1年/12年) 
2014年オフ  能見篤史  阪神  69勝56敗 11H 防御率3.03 (9年/06年-14年)  29勝34敗1S 17H 防御率3.57 (4年/15-18年) 
金子千尋  オリックス  90勝48敗5S 4H 防御率2.69 (8年/06-14年)  30勝30敗1H 防御率3.60 (3年/15-18年) 
2017年オフ  涌井 秀章  ロッテ  38勝39敗 防御率3.61 (4年/14-17年)  7勝9敗 防御率3.70 (1年/18年) 

▲FA宣言残留をした投手一覧(2008年以降)
※球団名・登録名は当時のもの

勝敗ベースで見ると、ほとんどの選手の成績が低迷。中でも金子千尋は14年オフに4年総額24億円という高額な契約を結んで残留しましたが、その後の成績は年平均で7.5勝しか挙げられずに今オフでチームを去る形になりました。

そんな中で意地を見せたのが三浦大輔。契約を結び直してからの8年間で最下位5回という弱小チームの中で通算48勝をマークして、「ハマの番長」の愛称にふさわしい成績を残しました。
 

不動のレギュラーに定着する野手陣たち

続いてFA残留した野手たちの成績を見て見ましょう。

選手名 球団 FA宣言前の通算成績 (実働年数/期間) 宣言残留後の成績(実働年数)
2010年オフ  関本賢太郎  阪神 打率.282 44本塁打254打点14盗塁 (11年/00-10年)  打率.253 4本塁打58打点2盗塁 (5年/11-15年) 
後藤光尊  オリックス 打率.277 68本塁打299打点50盗塁 (9年/02-10年)  打率.271 15本塁打114打点18盗塁 (3年/11-13年) 
金城龍彦  横浜 打率.284 91本塁打488打点33盗塁 (12年/99-10年)  打率.257 12本塁打94打点6盗塁 (4年/11-14年) 
多村仁志  ソフトバンク 打率.295 60本塁打229打点5盗塁 (4年/07-10年)  打率.245 8本塁打56打点1盗塁 (2年/11-12年) 
2011年オフ  新井貴浩  阪神 打率.285 59本塁打346打点18盗塁 (4年/08-11年)  打率.256 27本塁打153打点3盗塁 (3年/12-14年) 
2014年オフ  鳥谷敬  阪神 打率.285 120本塁打677打点99盗塁 (11年/4-14年)  打率.266 18本塁打141打点31盗塁 (4年/15-18年) 
2015年オフ  松田宣浩  ソフトバンク 打率.277 161本塁打577打点109盗塁 (10年/06-15年)  打率.257 83本塁打238打点14盗塁 (3年/16-18年) 
田中浩康  ヤクルト 打率.271 30本塁打327打点31盗塁(11年/05-15年)  打率.188 0本塁打1打点0盗塁 (1年/16年)  
2016年オフ  栗山巧  西武 打率.289 77本塁打592打点82盗塁 (13年/04-16年)  打率.254 17本塁打98打点1盗塁 (2年/17-18年) 
2018年オフ  中村剛也  西武 打率.253 385本塁打1043打点24盗塁 (16年/03-18年) 

▲FA宣言残留をした野手一覧(2008年以降)

投手ほどではないにしても、野手も年齢によって成績が下降気味。しかし各選手の打数を見ると、レギュラーとして起用されているケースがほとんどなので、全盛期よりも多少力が落ちていても、まだまだ若手には負けないとばかりに意地を見せていることがわかります。
 

中村剛也の今季はどうなる!?

いかがでしたか? 宣言残留した選手はフランチャイズプレーヤーとしてファンから厚い支持を得ますが、残念ながら芳しい成績を残した選手はあまりいないという状況が続いています。

今オフに宣言残留を果たした中村剛也が今季、どんな成績を残すか注目しましょう。