注目度抜群も、責任も重い監督業

プロ野球界で最も華やかな役職と言えば、各チームの監督。たったの12人しかなれないだけに注目されますが、チームの勝敗を一身に背負うだけにその責任は重大です。結果を残せば名将と称えられますが、負け続ければファンやマスコミから袋叩きに遭うことも。


今季もシーズン半ばに成績不振の責任を取って楽天の梨田昌孝監督が途中で辞任したのをはじめ、シーズン終了時にはさらに4球団が来季から監督を交代することを発表しました。代行を務めた平石洋介がそのまま監督に就任した楽天も含めれば、来季は約半数のチームの監督が今季の開幕時と変わることになります。

各監督が自身の持ち味を発揮して成績を上げるためにはそれなりの年数が必要になりますが、その猶予となる時間はチームによって様々。5年以上の長期政権を組むチームもあれば、わずか1年でクビを挿げ替えるというケースもあります。

では、どんなチームの監督は長期政権になりやすいのでしょうか? 球団の体質が出やすい監督の平均在籍年数をチームごとに調べてみました。
 

黄金時代を築いた3球団が上位をジャック

検証したのは各チームが創立した年から2018年シーズンまでに監督に就任した人物の在籍年数の平均を集計し、平均化したもの。途中で監督を辞任したケースは0.5年とカウントし、さらに監督代行のままで翌シーズンから監督にならなかったという人物は除いて集計しています。(参考:NPB.jp)

まずは1位から6位までのチームを見てみましょう。

順位 球団名 監督平均在籍年
1位 読売ジャイアンツ 5.13
2位 福岡ソフトバンクホークス 4.91
3位 埼玉西武ライオンズ 4.25
4位 広島東洋カープ 4
5位 オリックスバファローズ 3.48
6位 東京ヤクルトスワローズ 3.21

2019年シーズンより三度目の監督就任となった原辰徳(写真:Natsuki Sakai/アフロ)


ダントツの1位に輝いたのは巨人。1934年創設と最も古い歴史を持つ一方で、今季の監督である高橋由伸までに監督を務めた人物は、楽天に次ぐ16人という少なさ。V9時代を築いた川上哲治(1961年~1974年)や原辰徳の第2期(2006年~2015年)など、10年前後指揮を執ることも珍しくありません。在任中にリーグ優勝ができなかった監督はたったの2人だけというのも監督の交代が少ない理由となりました。

2位のソフトバンクは前身の南海ホークス時代に23年間も指揮を執った鶴岡一人(1946年~1968年)が大きく引き上げた感がありますが、弱小チームだったダイエーを優勝に導いた王貞治(1995年~2008年)以降に監督を務めた人物はたったの3人だけ。3位の西武も在任9年間で8度のリーグ優勝を飾った森祇晶(1986年~1994年)らがいます。

上位3チームに共通するのはいずれも黄金期と呼べる時代があったこと。チームが強い時期が長ければ長いほど監督を交代する必要がなく、長期政権を築きやすいと言えるでしょう。
 

チーム成績と監督の在籍年数はリンクする?

続いて、7位以下のチームを見てみましょう。

順位 球団名 監督平均在籍年
7位 北海道日本ハムファイターズ 3.11
8位 千葉ロッテマリーンズ 2.72
9位 中日ドラゴンズ 2.55
10位 阪神タイガース 2.44
11位 横浜DeNAベイスターズ 2.43
12位 東北楽天ゴールデンイーグルス 2.33


上位にいたチームとは異なり、長年下位に低迷していた時期が長く、シーズンが終わると監督を頻繁に交代していたというケースがほとんど。球団が創設されてから10年程度しか経っていない楽天を除くと、下位のチームはいずれも今季、セ・リーグのBクラスに甘んじたチームばかりです。

中でも特筆すべきなのが10位の阪神。監督平均在籍2.44年は1位の巨人と比べると約半分程度です。リーグ優勝は9回を数えますが、日本一は1985年のわずか1度だけという勝負弱さもこれまでの結果からみてとれます。

さらに今季指揮を執っていた金本知憲のように前シーズンに契約を延長したにもかかわらず、今季の成績不振を理由に解任するなど、フロントの気の短さが短期政権に結びついたと言えるでしょう。
 

来季のプロ野球を楽しむポイントに

いかがでしたか? こうしてみるとチームによって個性が出ているようにも思えますし、各チームのファンの声なども反映されているかのようでしたね。来季から新たに指揮を執る監督たちはどれくらいチームを率いるか…注目してみると、プロ野球がもっと面白く見られるかもしれませんよ。