やっぱり投手は上位指名!? ドラフト指名順位と勝ち星の関係性

プロ野球の世界では投手はアマチュア時代の実績がそのまま反映されることが多く、ドラフト上位指名の選手がそのまま活躍する傾向があります。そんな中でドラフト1位指名を受けた投手たちは過去3年間、どんな成績を残しているのでしょうか?

菅野智之、菊池雄星、東浜巨…昨季の最多勝投手の共通点とは?

もう目前に迫った2018年のプロ野球開幕。各チームとも新戦力が注目されますが、その中でも早くも結果を残したのが今季の中日のドラフト1位投手の鈴木博志。すべて1イニングずつではありますが、23日までのオープン戦5試合に登板してすべて無失点の好投。球速150キロを超えるストレートを武器に早くもプロの打者たちを封じ込め、ドラフト1位投手の貫録を示しました。
 

菅野
菅野智之(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

この鈴木博志をはじめ、プロの世界で活躍する投手の多くはドラフトで上位指名された選手がほとんど。例えば昨季のプロ野球セ・パの最多勝投手に輝いた菅野智之(巨人)と菊池雄星(西武)、東浜巨(ソフトバンク)はいずれもドラフト1位で入団していますし、歴代の投手たちでもドラフト制度が発足してから名球会入りを果たした選手でドラフト4位以下だった選手は、工藤公康(81年ドラフト6位)と山本昌広(83年ドラフト5位)の2名のみです。
 

打者に比べ、投手の方がアマチュア時代の実績通りに成績を残す傾向があり、ドラフト順位と成績に相違がない印象がありますが、実際はどうなのでしょうか? さっそく調べてみました。
 

ドラ1投手が好調な中、異彩を放つ楽天投手陣

検証したのは過去3シーズン(2015年~2017年)に勝ち星を挙げた投手を各チームのドラフト指名順で分類。どの順位で指名された選手が最もチームの勝ち星に貢献しているかを見てみました。
 

なお、FAやトレードなどで移籍してきた選手(復帰組は除く)や助っ人外国人はすべて除外。文字通りチームのスカウト力がよくわかるデータとなっています。まずはパ・リーグの6球団から見ていきましょう。
 

◆パ・リーグ各球団のドラフト順位と過去3シーズン分の勝ち星(2015~2017)の相関図

ソフトバンク  西武  楽天  オリックス  日本ハム  ロッテ  パ・リーグ合計 
1巡目 85 93 51 37 81 77 424
2巡目 11 44 64 19 19 24 181
3巡目 1 4 8 33 22 1 69
4巡目 2 19 6 9 21 9 66
5巡目 14 3 8 2 17 5 49
6巡目 1 9 15 0 15 16 56
7巡目以下 0 0 1 2 11 1 15
自由枠・希望枠  25 14 0 33 0 0 72
育成 43 0 0 0 0 6 49


過去3シーズンで2度の日本一に輝いたソフトバンクを始め、多くのチームがドラフト1位指名で入団した投手が多くの勝ち星を量産。昨季の最多勝コンビである菊池、東浜はもちろんですが、武田翔太(ソフトバンク)や石川歩(ロッテ)などの各チームのエース格に当たる投手は軒並み名を連ねます。
 

その中で異彩を放つのが、楽天投手陣。ほとんどのチームがドラフト1位投手の勝ち星がもっとも多い中で楽天は3年間で36勝を挙げた則本昂大らをはじめとした2位指名の投手が逆転。チーム過去3年の勝ち星の約33%を稼ぎ出している計算になります。また、多くのチームが3位以下の投手の勝ち数が激減する中で、日本ハムは7巡目以下まで勝利数は2桁を記録。スカウティング力の高さを感じさせます。
 

ドラ1投手の活躍は強いチームに欠かせない

続いて、セ・リーグの各球団を見ていきましょう。
 

◆セ・リーグ各球団のドラフト順位と過去3シーズン分の勝ち星(2015~2017)の相関図

広島  阪神  DeNA  巨人  中日  ヤクルト  セ・リーグ合計 
1巡目 100 52 67 49 46 32 346
2巡目 58 4 30 20 29 31 172
3巡目 8 7 18 41 12 21 122
4巡目 0 15 3 1 2 1 22
5巡目 5 16 7 0 2 0 30
6巡目 7 10 7 0 13 4 41
7巡目以下 0 0 1 6 21 0 28
自由枠・希望枠  3 41 2 13 12 29 100
育成 0 1 10 8 2 1 22

こちらもパ・リーグと同様にドラフト1位投手が圧倒。中でもダントツの数字となっているのが3年間で100勝を稼ぎ出した広島。2015年は前田健太が15勝を挙げて、チーム全体でも31勝をマーク。ペナントレースを1位で通過した昨季は、全体の勝ち星の4割以上となる36勝。野村祐輔、大瀬良大地、岡田明丈ら3人の先発投手陣がチームに大きく貢献したことを裏付けます。
 

過去3年間でペナントレースを2度制している現在の両リーグを代表する強豪チームである広島とソフトバンクが、それぞれ共通して「ドラフト1位指名の投手が活躍している」という点は見逃せません。強いチーム作りには、ドラフト会議で有望な選手を指名するほかないことがよくわかります。
 

調べてみるといろいろな結果が浮き彫りになったドラフト上位指名投手たち。今季はどんな成績を残すか、注目してみましょう。

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    親を就活に巻き込むオヤカク、オヤオリ…“学校化”が進む企業に忍び寄る「毒ハラ」とは?

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    「港区女子=事業資金集め」という選択肢。昼は不動産営業、夜は港区ラウンジ嬢だった30代女性の現在

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」