シーズン序盤はW杯へのアピール合戦に

今シーズン序盤のJ1リーグは、6月開幕のロシアW杯へ向けた最後のアピールの舞台だ。日本代表入りを目ざす選手たちは、当然ながら高いモチベーションでリーグ戦に臨むだろう。
 

Jから世界へ
Jリーグから日本代表入りを目ざす選手も多い。写真は2017年末のEAFF E-1サッカー選手権に出場した(右から)昌子源、中村航輔、 小林悠、 車屋紳太郎(写真:JFA/アフロ)

前年覇者の川崎フロンターレは、センターバック谷口彰悟、左サイドバック車屋紳太郎、MF大島僚太、阿部浩之、昨季得点王のFW小林悠らが、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督のリストに入っていると見られる。横浜F・マリノスから今季加入し、現在はケガからの回復過程にあるFW齋藤学も、2大会連続のW杯代表を諦めていない。
 

こうした選手たちに加えて、2年ぶりに復帰したJ1歴代最多得点のFW大久保嘉人や、国内最高レベルのMF中村憲剛らのベテランも、心中期するものがあるはずだ。
 

前年のJ1覇者と天皇杯優勝チームが激突した2月10日のスーパーカップで、その川崎Fを下したのがセレッソ大阪だ。こちらもロシアW杯入りを射程とする選手は多い。主将のMF山口蛍、背番号10を背負う清武弘嗣(シーズン序盤はケガで欠場が濃厚)、昨季得点ランク2位のFW杉本健勇らは、チームを勝利に導くことで好調ぶりをアピールしたいはずだ。また、セレッソの象徴たる「8」を着けるFW柿谷曜一朗も、2大会連続のW杯出場が期待されるひとりだ。
 

昨季2位の鹿島アントラーズも、代表候補をズラリと揃える。センターバックの昌子源と植田直通、サイドバックの西大伍と山本修斗、MF永木亮太、三竿健斗、土居聖真、FW金崎夢生らだ。
 

鹿島
古巣に復帰した内田篤人にも注目だ(写真:日刊スポーツ/アフロ)

さらに、ドイツから古巣に復帰した内田篤人も、トップフォームを取り戻せば代表復帰が視野に入ってくるはずだ。彼らが胸に抱くW杯への思いは、クラブが伝統とする“勝者のメンタリティ”を太く強くする。Jリーグの盟主と認められるアントラーズは、今季も優勝争いを演じるに違いない。
 

昨季4位の柏レイソルにも、ハリルホジッチ監督注目のタレントがいる。GK中村航輔とFW伊東純也だ。ともに昨年12月のE-1選手権でインパクトを残し、ロシア行きの可能性を拡げた。
 

ACL出場4クラブはクオリティが高い。中でも注目は……

川崎、C大阪、鹿島、柏の4チームは、チーム全体としてのクオリティが高い。W杯へ向けた個々のアピールを除いても、優勝争いに加わってくるはずだ。そのなかでも、セレッソ大阪は評価を集める。
 

セレッソが優勝
2018年、天皇杯やゼロックス スーパーカップを制したセレッソ大阪は注目だ(写真:アフロスポーツ)

昨季からチームを束ねる尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督のもとで、攻守にスキのないチームとなっている。クラブのOBでもある韓国人指揮官のもとで、これまでチームに欠けていた勝負強さを身につけてきたのだ。
 

4チームに不安要素があるとすれば、AFCチャンピオンズリーグ出場による過密日程だろう。アジア各国リーグの上位チームが集う通称ACLは、Jリーグ開幕前から開催されており、3月、4月はJリーグの合間に試合が組まれている。各クラブとも選手層を厚くしてシーズンを迎えているが、日本代表クラスは絶えず稼働することになりそうで、フィジカルコンディションが懸念される。
 

W杯開催に伴う中断の影響は?

過密日程に直面するACL出場クラブだが、今季はロシアW杯の開催に伴う中断がある。5月中旬の中断まで走り抜く、というのが4クラブに共通する思惑だろう。
 

もっとも、中断前までを一区切りと考えるのはどのクラブにも共通する。リーグ戦とリーグカップに専念できるメリットを生かし、できるだけ勝点を稼いでおこうと考えるはずだ。
 

ACLに出場しないクラブでは、浦和レッズ、ジュビロ磐田、ガンバ大阪が上位争いに加わってきそうだ。
 

浦和レッズもW杯を狙う選手が多い。DF槙野智章はスタメンの候補で、GK西川周作、DF遠藤航、MF柏木陽介、長澤和輝、FW興梠慎三らがメンバー入りを狙う。昨季はACLを制してアジア王者となったチームは、就任2年目の堀孝史監督のもとで2度目のリーグ優勝に闘志を燃やしている。
 

ジュビロ磐田は元日本代表でOBの名波浩監督が、就任5年目を迎える。ここまで右肩上がりに順位を上げ、J1復帰2年目の昨季は6位に食い込んだ。2度のW杯に出場したMF中村俊輔が中盤を支え、日本代表候補の川又堅碁が得点源となるチームが、順位表の上位を定位置にしても不思議ではない。
 

ガンバ大阪は新監督を迎えた。かつてセレッソで成果を残したブラジル人のレヴィー・クルピが、5年ぶりにJリーグへ戻ってきた。
 

このチームのメンバーリストにも、W杯行きを狙う選手が並ぶ。実績と経験で中村憲、中村俊と比肩するMF遠藤保仁も健在だ。クルピ監督の戦術が早い段階で結果につながれば、上昇気流をつかめるだろう。
 

J1リーグの中断に入ればロシアW杯へなだれ込み、サッカーファンの視線は代表チーム同士の戦いに注がれていくはずだ。しかし、W杯明けの再開後こそが、J1リーグの優勝争いを大きく左右するのである。
 

2018年の主な日程

  • ロシアW杯:6月14日(木)~7月15日(日)
  • J1:2月23日(金)~12月1日(土)
    ※5月20(日)から中断し、7月18日(水)から再開
  • J2:2月25日(日)~11月17日(土)
  • J3:3月9日(金)~12月2日(日)

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