Jリーグ開幕間近!昇格と降格に関わる「クラブライセンス」とは?

2018年のJリーグが、2月23日に開幕する。1993年の開幕から25年目の節目となるシーズンを前に、Jリーグの「いま」をシリーズでおさらいしていく。第1回は昇格と降格の条件にかかわる「クラブライセンス」について説明したい。

2018年のJリーグ開催概要をおさらい!

J2
2018年のJ2は22チームが参戦。しかしJ2で優勝してもJ1に昇格できない場合がある​​​(写真:田村翔/アフロスポーツ)

2018年のJリーグが、2月23日に開幕する。1993年の開幕から25年目の節目となるシーズンを前に、Jリーグの「いま」をシリーズでおさらいしていく。第1回は昇格と降格の条件にかかわる「クラブライセンス」について説明したい。
 

クラブライセンスは「資格」

JリーグはJ1、J2、J3の3部制で成り立っており、J1は18チーム、J2は22チーム、J3は17チームで争われる。
 

J1とJ2の入れ替えは、J1の17、18位がJ2に自動降格し、J2の1、2位が自動昇格となる。さらに、J1の16位とJ2の3位~6位がJ1参入プレーオフを争い、優勝したクラブがJ1に残留または昇格となる。昨年まではJ1の16位も自動降格だったが、今年からJ1参入プレーオフに参加することになった。
 

ここでおさえておきたいのは『クラブライセンス』だ。
 

日産スタジアム
各カテゴリーに見合ったホームスタジアムを持つことも、クラブライセンスを得るのに必要だ(写真は横浜国際総合競技場/amana)

たとえば、J1リーグはナイトゲームでも開催されるから、スタジアムには夜間照明がなければならない。また、開幕戦や優勝のかかった試合などは多くの観客が集まることが予想されるため、相応の規模のホームスタジアムを持っていることが望ましい。クラブライセンスとは、それぞれのカテゴリーに見合った「資格」と考えればいい。
 

J1昇格プレーオフに話を戻すと、J2の3位~6位に入っても、J1のクラブライセンスを持っていなければプレーオフには出場できない。今シーズン開幕時点のJ2では、水戸ホーリーホック、FC町田ゼルビア、カマタマーレ讃岐の3クラブはJ1ライセンスを保持していないため、順位にかかわらずJ1には昇格できないことになる。
 

条件を満たしても昇格できないクラブが

J2からJ3への入れ替えにも、クラブライセンスが関わってくる。
 

J2の21位、22位はJ3へ自動降格し、J3の1位、2位がJ2へ自動昇格するが、J3からJ2への昇格も「J2クラブライセンスを取得していること」が条件となる。
 

また、18年のJ3を構成する17チームには、FC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪のU-23チームが参戦している。23歳以下の選手に出場機会を与えることを主目的とするため、この3チームは順位に関わらずJ2に昇格することはない。
 

U-23の3チームを除いたJ3の14チームのうち、現時点でJ2以上のクラブライセンスを取得しているのはザスパクサツ群馬、AC長野パルセイロ、カターレ富山、ガイナーレ鳥取、ギラヴァンツ北九州、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球の7クラブだ。

久保建英
2017年はJ3で、FC東京の久保建英が最年少得点記録を更新している(写真:アフロスポーツ)

このようにJ2では3クラブが、J3では7クラブが、上位カテゴリーに昇格できないわけだ。だからといって、リーグ戦に臨む熱量が低いわけではない。昨年のJ3では、J2クラブライセンスを持たないブラウブリッツ秋田が優勝を飾った。同じくJ2クラブライセンスのないアスルクラロ沼津も、3位に食い込んだ。
 

「クラブは昇格できなくても、活躍すれば他クラブに引き抜かれることもある」とのモチベーションが、上位ライセンスのないクラブでプレーする選手たちを支えている。そして、下位カテゴリーからJ1へ這い上がっていく選手が、近年では例外でなくなってきた。それもまた、25年目を迎えたJリーグの「いま」なのである。
 

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