離婚裁判とは?「最高裁まで争う」と言っているが過去の例は?

けんか

松居一代さんと船越英一郎さんの離婚騒動が注目されています。特に松居さんの様々な言動に注目が集まっているようで、最高裁まで争う等と宣言しているとのこと。そこで、いわゆる離婚裁判はどういったものか、基本的な点を確認したいと思います。
 

離婚裁判を始めるためには調停から

離婚は、双方が納得すればいつでも可能です。これが協議離婚です。
 

どちらか一方が納得しない場合は協議離婚できません。しかし、法律に則り裁判所が強制的に離婚を命じることができます。これが裁判(判決)離婚です。したがって、相手が離婚に納得してくれず協議離婚できない場合は、離婚を望んでいる夫又は妻は離婚裁判の提起を検討することになるのですが、その場合でも離婚調停をまず行ってからというルールになっています(これを調停前置主義といいます)。
 

したがって、離婚を望む夫又は妻は、まずは家庭裁判所に対して離婚調停を申し立てることなります。なお、申し立てる裁判所は、相手方が居住している場所を管轄する家庭裁判所です。
 

離婚裁判の始まり。時間はどれくらいかかる?

離婚調停はあくまで話合いですから物別れになれば調停不成立で手続が終了します。次に離婚裁判に進んでいくことになります。これも相手方が居住している場所を管轄する家庭裁判所に対して行います(例外もあります)。
 

離婚裁判は、「●●ヶ月以内に終わらせる」という法律上の規定がありませんので、どの程度時間を要するかは事案次第です。平成26年に終了した離婚裁判等の平均審理期間は全事件で1年、相手方も出頭して判決となった事件で16.3か月でした(最高裁事務総局家庭局編「人事訴訟事件の概況」より)。
 

弁護士の肌感覚では、お互いに弁護士が就任しお互いの言い分に争いのある事件でしたら、概ね提訴から一審の判決まで1年から1年半くらいといったところでしょうか。ちなみに、離婚裁判でも和解することは可能です。和解であればもっと早く終わることもあります。
 

かかる費用はケースによってまちまち?

費用は、弁護士に支払う費用と裁判所に納める費用に大きく分かれます。


ご本人にとって負担が大きいのは前者です。金額は個々の契約で自由に定められることになっていますが、通常の契約ですと、最初に発生する着手金、事件終了時に成功の程度に応じて発生する報酬金に分かれることが多いです。事件の内容はまちまちですので、弁護士費用もまちまちというほかありませんが、着手金ですと20万円程度~50万円程度でしょうか。


裁判所に納める費用は離婚のみ求めるのであれば1万3,000円(と数千円分の切手)ですが、これに財産分与や慰謝料等の請求も付加すると増えます。もっともよほど高額な慰謝料を請求しない限り数万円程度に収まります。なお、全国どこの裁判所でも裁判所に納める費用は同じです。また、訴えられた人(被告)は、裁判所に費用を納める必要はありません。
 

最高裁まで争えるのか

離婚裁判も普通の裁判と同じように、三審制ですから、家庭裁判所⇒高等裁判所⇒最高裁判所で争うことが可能です。
 

もっとも、最高裁判所は、憲法上の問題や重要な法令解釈を判断する場合等に限って審理することになっているため、上告した理由が一般的なものだと(例えば、慰謝料は500万円が妥当だと思っていたのに300万円しか認められなかった。相手の不倫(不貞)の事実について認められなかった等)ほとんど取り上げられません。具体的には上告をしても、法廷が開かれることなく、1,2ページの決定書で中身の判断さえされないのが大部分です。
 

また、高等裁判所も運用として一審の判決が適切かという視点で裁判を行う傾向にあります。したがって、一審の段階でしっかり主張立証を尽くすべきということになります。
 

泥沼化しないために

例えば、離婚の交渉をしていて半年、離婚調停で1年、離婚裁判の一審判決まで1年、高等裁判所で半年かかったとすると、離婚を求めてから離婚するまで3年かかることになります。時間がかかるな~!! と感じる方が大半ではないでしょうか。
 

このような事態に至らないためにどうすべきでしょうか。

まずは、相手方とよくコミュニケーションを取ることが大事だと思います。離婚したい・したくない、応じる・応じないということも一つの夫婦のコミュニケーションです。どのようにこちらの気持ちを相手に伝えて、相手に了解してもらうようにするかを考えるのが大事だと思います。
 

とはいえ、相手方のあることなので揉めてしまうこともあります。そのような場合に備えて、離婚を求める側、求められる側の双方いずれにとっても大事なのは、自身の主張を裏付ける証拠を可能な限り確保しておくべきということです。
 

また、やはり早めに専門家の助力を得ることも大事です。事案の性質から裁判になるとこうなりますよといったアドバイスを受けることができれば、どのように調停や裁判を進めるべきかのヒントになるでしょうし、どのような証拠でどのような事実を裏付けることができ、またできないのかといった点も専門家、とりわけ弁護士によるアドバイスがないと中々裁判や調停に慣れない方にとっては見極めがつかないはずです。
 

さらに、離婚する側(したい側)にとっては最初の準備が肝心ですので、何をどのように準備すべきかについてアドバイスを受けておくと後で後悔することが少ないのではないかと思います。