7月1日から日本一標高の高い地点を走る観光列車が登場!
高原列車として名高く、JR線では日本一標高の高い地点(1375m)を通る小海線は、山梨県の小淵沢を起点に、清里、長野県の野辺山、小海、佐久平を経て小諸に至る路線である。この小海線全線(小淵沢~小諸間)に、2017年7月1日から、新しい観光列車HIGH RAIL 1375(ハイレール・イチサンナナゴ)が走ることとなった。その専用車両が、6月21日に、小海線中込駅(長野県佐久市)で報道陣に公開されたので、レポートしてみたい。
ディーゼルカーを使った専用車両 夜空や八ヶ岳がモチーフ
列車は、2両編成で、従来から走っているディーゼルカーを使用するものの、外観、内装ともに大改造を施し、専用車両とした。金属風の質感をベースに、小海線の夜空や車窓を流れる八ヶ岳の山々をモチーフにしたデザインがユニークである。
車内はまるでプラネタリウム?軽食サービスも充実
小淵沢寄りの1号車は、窓を向いたペアシート、斜めに窓側を向いたシングルシート、4人掛けのボックスシートといったバラエティに富んだ座席からなり、車端部には天体関係やグッズ、飲食などの物販カウンターがある。
2号車は、2人掛け(一部1人掛け)のリクライニングシートが並び、車端部にはギャラリーHIGH RAILがある。このギャラリーは、天文関係の書籍を展示するミニ図書室であるとともに、ドーム型天井には星空映像を投影し、プラネタリウムと見まごうばかりの列車内とは思えない個性的なスペースだ。
この列車は最近はやりの飲食がウリのカフェカーでもある。小淵沢発のHIGH RAIL1号では、昼食の時間帯を走ることもあり、沿線の佐久市で作られたチーズや野菜のサンドウィッチをメインとしたブランチセットがオプションとして提供される。小諸発のHIGH RAIL2号は、午後の便なので、地元の素材を活かしたスイーツセットが味わえる。
夜間運行では野辺山で星空観測会も
さらに特徴的なのは、夜間運行のHIGH RAIL星空で、18時20分に小淵沢を出発した後、野辺山駅で1時間3分停車する間に、駅前の公園で星空観測会を行う。電波天文台があり、天体観測の聖地でもある野辺山ならではの趣向である。この列車では、特製弁当とオリジナルグッズが付く旅行商品がおススメだ。
夏休みにぴったりな観光列車、予約状況は?
HIGH RAIL1375は、快速列車なので、乗車券のほか、座席指定券820円(こども410円)だけで利用できる。もっとも、飲食を楽しむためには、びゅうプラザや旅行会社、インターネットで事前に予約をする必要がある。なお、すでにかなりの人気となっていて、7月中旬までの列車は、星空号に若干の余席があるのみで、あとは満席となっている。夏休みの人気目的地である信州のなかでも知名度の高い八ヶ岳高原山麓を走るニュータイプの高原列車。予約が取れれば、ぜひ乗ってみたい注目のニューフェイスだ。
余談だが、HIGH RAIL1375の外観をあしらったラッピングレンタカーが1台、北陸新幹線の停車駅でもある佐久平駅前のJR東日本レンタリース㈱駅レンタカー佐久平営業所に1台のみ配置される。列車から降りた後、このクルマで信州をドライブするのも一興であろう。
*取材協力=JR東日本長野支社