プレミアムフライデー、8割近くが活用せず
人材サービスの株式会社VSNは、全国・男女20~50代のビジネスパーソンを対象に、「プレミアムフライデーに関する実態調査」を実施。2月24日のプレミアムフライデー当日の過ごし方について、「何もしなかった」と答えた人が43.9%と最多で、次いで多かったのも「仕事」(35%)と、8割近くが初めて実施されたプレミアムフライデーを活用していなかったことが明らかとなった。
調査手法はインターネットリサーチで計1,704名から回答を得たという。
プレミアムフライデー、認知度は高いが…
調査によると、「プレミアムフライデー」、“知っている”と回答したのは全体の88.8%。性別・年代問わず高い認知率となっていた。VSNは「当日はテレビの情報番組などでも広く話題になっており、性別・年代別でも大きな差はなく、広く認知されていたことがわかる結果」としている。
高い認知度の一方で、初めての「プレミアムフライデー」は“何もしなかった”が最多。飲食業界や商業施設、旅行業界などがプレミアムフライデーのキャンペーンやイベントを仕掛けていたが、2月24日の当日にプレミアムフライデーのキャンペーンなどを実際に活用したのは全体の5%だった。
「自分には関係ない」も47.8%
「プレミアムフライデー」の取り組みに対して、ビジネスパーソンはどのように受け止めているのだろうか。この質問への回答で最も多かったのが“いい取り組みだと思うが自分には関係ない”というもので47.8%だった。肯定的な意見が多いが、「必要ない」という意見も12.4%あり、「関係ない」という意見と合わせて課題は多く残ったように見える。
次回の「プレミアムフライデー」は3月31日。今からこの日の予定を考えているのは全体の12.9%で、最多は「考えていない」の53.4%だった。
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定着には「労働者目線を加えること」が不可欠
プレミアムフライデーが始まる前から、労働者層は冷ややかに受け止めており、いまひとつ盛り上がっていない印象も見受けられていた。All About NEWSでは『2月24日から「プレミアムフライデー」あなたはどっち?』の記事内にアンケートを設けたところ、2月23日時点で148票が集まり、「プレミアムフライデーだが仕事をする」と答えた人が78%だった。
こうした「冷ややかな状況」について、企業コンサルタントである大関暁夫氏は『2017年に実施される「プレミアムフライデー」 とは?課題は?』の中で、従業員や労働者の目線を忘れていることにあると問題点を指摘していた。
今後、プレミアムフライデーの定着・成功はあるのだろうか。これに関して大関氏は「実施日見直しを含め従業員目線、労働者目線を加えてものを考えることは不可欠」とも述べている。今後の展開を見守りたい。
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