2017年の節分は2月3日
2017年の節分は2月3日。年によっては4日になる場合もあります。
節分は皆の幸せを願う行事です。どのような意味や由来があり、どのような風習があるのでしょうか。これに関して和文化研究家の三浦康子氏がAll Aboutの『節分のいろは~由来、豆まきのしかた、恵方巻』で解説をしています。
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節分の由来は?
節分は実は年に4回あるのだといいます。節分は季節の分かれ目である「立春、立夏、立秋、立冬の前日」のことをいい、これが室町時代あたりから立春の前日だけをさすようになりました。その理由は、春を迎えることが新しい年を迎えることでもあり、最も重要だったためだと考えられています。
「昔は、季節の分かれ目には邪気が入りやすいと考えられていました。中でも重要なのは、年の分かれ目です。旧暦では新年が春から始まるため、立春の前日の節分は、大晦日に相当する大切な節目だったのです」
鬼を退治する理由は
古代中国では、大晦日に「追儺(ついな)」という邪気祓いの行事があったといいます。三浦氏によると、この行事は桃の木で作った弓矢を射って、鬼を追い払う行事で、奈良時代に日本に伝わり、平安時代に宮中行事として取り入れられたといいます。その行事の中に「豆打ち」というものがあり、その名残が「豆まき」として江戸時代に庶民の間に広がったそうです。
では、なぜ架空の鬼をやっつけるのでしょうか。
鬼は邪気や厄の象徴とされ、形の見えない災害、病、飢饉など、人間の想像力を越えた恐ろしい出来事は鬼の仕業と考えられていたといいます。
「“おに”という言葉は“陰(おん)”に由来し、陰とは目に見えない気、主として邪気をさし、それが“おに”なのです。また、隠れているこわいものとして“隠人(おんにん)”が変化したという説もあります」
豆で鬼を退治することはできるのか
節分の豆まきは、災いをもたらす鬼を追い払い、新年に福を呼び込むための行事。なぜ豆で鬼をやっつけることができるのでしょうか?
三浦氏によると、大豆は五穀のひとつで穀霊が宿るとされており、米に次いで神事に用いられてきたといいます。米よりも粒が大きく、穀霊で悪霊を祓うのに最適であることや、魔の目(魔目=まめ)に豆をぶつけて魔を滅する(魔滅=まめ)にも通じることにもあるようです。
豆まきの方法と注意点
なお、豆まきに用いる大豆は、必ず炒り豆でなくてはいけません。これは、拾い忘れた大豆から芽が出てしまうと縁起が悪いためといいます。炒った豆は「福豆」と呼ばれています。福豆は神様の力が宿るように、豆まきをするまで神棚にお供えしておくことも重要です。大豆ではなく落花生を使う地方もあります。
また、鬼は真夜中にやってくるので、豆まきは夜のほうが効果的とのこと。また、一家の幸せを願う行事なので、豆をまくのは家長の役目。厄年の人、年男や年女がいる場合には、その厄祓いの意味でも適任でが、家族のイベントという意味合いも強く、家族全員でまき、それぞれの厄を祓っても構わないと三浦氏は説明しています。
豆まきがすんだら、1年間無事にすごせるよう願いながら、自分の年齢よりも1つ多く豆を食べます。これによって邪気を祓い、病に勝つ力もついて福を呼ぶとされています。
2017年の恵方は北北西やや北。恵方巻をなぜ食べる?
恵方巻は、大正時代に大阪の商人や花街で発祥した風習に由来すると三浦氏は説明しています。
「当時は、節分の時期においしく漬けあがったお新香を海苔巻きにし、商売繁盛を願って食べるというもので、景気づけの意味あいが強かったようです。やがて、それを大阪の海苔や寿司業界が関西地方に広め、メディアやコンビニなどの流通業界の影響もあり、現在は全国的な広がりをみせています」
恵方巻は、その年の恵方(その年の福を授ける年神様(歳徳神)がいる方角)を向いて丸かじりすると、願い事が叶い、無病息災や商売繁盛をもたらすとされています。なお、2017年の恵方は北北西やや北です。
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