大磯の壮大な冬の火祭「左義長」
神奈川県南西部、西湘エリアの大磯町では、毎年1月14日に冬の火祭「左義長(さぎちょう)」が盛大に行われる。
左義長は、小正月(1月15日前後)に行われる「セエノカミサン(道祖神)」の火祭。「どんど焼き」などとも呼ばれ、かつては日本各地で行われたが、時代と共にその数は少なくなってきている。
その中で、大磯の左義長は昔ながらの習俗をよく伝え、規模も壮大であることから、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
左義長のスケジュール
祭りは、前年12月3日の「一番息子」という行事から始まる。
子ども達が「ゴロ石」と呼ばれる石を縄に付けて家々をまわり、家人に頼まれた願いを唱えながら玄関先で石を地面にドンドン打ち付け、賽銭をもらう。まるで、西洋のハロウィンが想起されるような風習だ。
年明けにも様々な行事が行われた後、祭りは1月14日にクライマックスを迎える。北浜海岸に、ワラで作った円錐形の「サイト」が9基建てられ、縁起物、お飾り、書き初めなどが差し挟まれ、日暮れ後、18:30頃にその年の恵方側から一斉に点火する。
さらに、火が盛大に燃え上がると、若い衆が裸になり、ソリ型の台に乗せた神様の仮宮を壊して海に引き入れ、浜方と陸(おか)方で綱を引き合う「ヤンナゴッコ」という珍しい行事が行われる。
なお、14日は磯汁のサービスのほか、だんご焼きセットや左義長清酒の販売も行われる。北浜海岸へは、JR大磯駅から徒歩10分。
冬のこの時期、大磯の隣町、二宮町の吾妻山では、6万本の早咲きの菜の花が見頃を迎えている。夕暮れ後に始まる左義長の前に立ち寄ってみてはいかがだろうか。
詳細記事:吾妻山で早咲きの菜の花6万株が見頃を迎える/神奈川
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