単なる「日本好き」を超え、なぜ台湾の人々はこれほどまでに日本を深く信頼し、心を寄せてくれるのでしょうか。
日本人が知っておくべき“日本と台湾の誇り高き絆”を、台湾日本研究院理事長・李世暉さんの著書『台湾「麗しの島」へようこそ』(飛鳥新社)から一部抜粋・編集して紹介します。
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台湾人が日本に友好的な「3つのポイント」
日本台湾交流協会が2025年4月に発表した最新の世論調査(2024年度調査)によると、台湾人が「最も好きな国」として日本を挙げた割合は76%に達し、「信頼できる国」についても71%が日本と回答しました。特に20〜39歳の若年層では80%に達しており、全世代の中で最も高い信頼を寄せています。このように、台湾人が全般的に日本に対して極めて友好的な態度をとる背景には、過去の歴史を乗り越えた「3つのポイント」があります。
1. 民主化による植民地歴史の再定義
第一に、「民主化による植民地歴史の再定義」です。1990年代以降、台湾が民主化する過程で、独自のアイデンティティを再確認する動きが強まりました。その際、植民地時代のインフラ整備や教育を「台湾近代化の礎」として客観的に評価する視点が生まれました。
これにより、日本との歴史を単なる「断絶」ではなく、自国の歴史の「共有された一部」として捉え直したのです。
2. ポップカルチャーと価値観の共鳴
第二に、「ポップカルチャーと価値観の共鳴」です。漫画、アニメ、ゲーム、J-POP、そして洗練された日本のデザインやライフスタイルは、台湾の若者にとって「最も身近で質の高い現代文化」の象徴です。
さらに、自由・民主主義・人権といった価値観を共有するパートナーとして、日本を「最も信頼できる隣人」と見なしています。
3. 震災を通じた絆の循環
第三に、「震災を通じた絆の循環」です。1999年の台湾「921大地震」や2011年の東日本大震災において、互いに送り合った多大な支援と深い感謝。
この「恩返しの連鎖」が何度も繰り返されたことで、教科書を超えた実体験としての「心のつながり」が若い世代にも深く刻まれました。
「アッサリ」「運ちゃん」……台湾の日常に溶け込む愛される日本語
台湾の人たちと話していると、ふとした瞬間に「あれ? これって日本語?」と驚くような言葉に出会うことがあります。実は台湾の言葉(特に台湾語)には、歴史的な背景から日本語がそのまま「慣用句」として溶け込んでいるものがたくさんあるのです。
例えば、日常会話でよく耳にする「アッサリ(阿莎力)」。これは日本語の「あっさり」が由来ですが、台湾では「細かいことは気にしない、潔くて太っ腹だ!」という最高の褒め言葉として使われます。他にも、タクシーの運転手を指す「運ちゃん(ウンチャン)」や、「弁当(ベントー)」、さらには「人気(ニンキ)」といった言葉も、日常生活に完全に定着しています。
ここで注目してほしい台湾人の「コミュニケーションの極意」は、言葉を単なる「正しい日本語」として扱うのではなく、「相手と心を通わせるための生きたツール」として使いこなしている点です。
台湾の若者は、日本人観光客がいれば知っている限りの日本語や英語を総動員して助けようとしてくれます。彼らにとって大切なのは、完璧な文法や発音ではありません。目の前の相手と「今、この瞬間に繋がること」なのです。
「完璧じゃなくても、まずは伝えてみる」。この台湾流のスタイルは、相手が親しみやすい言語を選んで心の距離を縮めていく、そんな「しなやかな適応力」に基づいています。これこそが、言葉の壁を越えて世界を広げる最強の武器になるのです。



