しかし、その差を生んでいる原因は、子どもの才能や性格だけでなく、親が無意識に発している「言葉かけ」にあるかもしれません。
今回は、親子コミュニケーションアドバイザー・天野ひかりさんの著書『思春期の子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、子どもの成績が上がる言葉かけ・下がる言葉かけの違いをひも解きます。
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「成績が上がる言葉かけ」「成績が下がる言葉かけ」って?
「上の子はしっかりしていて勉強もできるのですが、下の子が成績も悪く心配です」。こうしたご相談も多く、同じように育てているつもりでも、兄弟姉妹で違いますよね。
もちろん、子どもの生まれ持った性格や知能の違いもあると思いますが、もしかしたら親自身の子どもを見る目線の違いが関係しているのかもしれません。
親の認知バイアス(思い込みや先入観)が、知らず知らず子どもの成長に影響を与えているとしたらどうでしょう?
まずは、親自身の言葉かけを問い直してみましょう。NG会話からみてみます。
親が「期待していない」言葉かけをしていませんか?
ただ、この会話を聞いている姉・スーちゃんは、ますます自ら勉強するようになりますね。
だって、「レンくんも、自分から宿題してくれたらママは助かるな」の言葉には、「レンくんは勉強しないけど、お姉ちゃんは自分から勉強する子」という思いが透けて見えるからです。お姉ちゃんも期待を裏切れないので、ますます勉強するようになるでしょう。
期待と信頼のある言葉をかけると、子どもはそのとおりに成長していくそうです。
これは「ピグマリオン効果」といって、その効果が実証されています。
では逆に、レンくんはどうでしょうか。
残念ながら、できる姉を持ったダメな弟という役割を演じていきそうです。
「『演じる』ってどういうこと?」と思いますよね。
親は、レンくんが自らやる気になってほしいと話しかけているつもりでも、裏を返せば、「自らやらない弟」というあきらめから発せられている言葉だからです。
「期待していない」言葉かけが続くと、子どもはその言葉とおり、能力が伸びないことがわかっています。これが「ゴーレム効果」です。
ならば、期待と信頼から発する言葉に変えましょう。ゴーレム効果をやめて、ピグマリオン効果を使いましょう。
きっと子どもはその言葉とおり、少しずつ成績が伸びていくはずです。
では、OK会話を見てみましょう。
親に信頼されれば、子どもは行動に移せる
レンくんの健康を気遣っているだけですが、宿題をしていないことの指摘もしていません。
親が宿題のことを言わずにいられないのは、「どうせ宿題しない子だから、私が指摘しないとやらない」と根底で思っているからでしょう。
それが子どもに伝わってしまうことが逆効果(ゴーレム効果)なのです。
宿題のことを言わないのは親にとっては不安ですが、子どもにとっては、「たまには休憩も必要ね」という言葉の方が信頼されていると感じます。
親に信頼されれば、子どもは行動に移せます。
子どもは、親の信頼と期待に応えたいものだからです。
親自身の言葉が、子どもを信じて期待している言葉なのかどうか、自問してみましょう。
たとえばテストの点数が悪かったとき、「ほら、ゲームばかりしてるからでしょう」ではなく、「今回は、調子悪かったね」「きみができないなら、みんなもできないと思うよ」「問題の難易度が高かっただけじゃない?」など、子どもが本調子でがんばればできるということを信じている気持ちが伝わる言葉がいいですね。
ただし、「きみは天才なんだから、やればできるよ」「模試で全国1位を目指してがんばれ!」など、過度な期待はプレッシャーになりますので、気をつけて。
NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、フリーアナウンサー。
上智大学文学部卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げたNPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、杉並区社会教育委員副議長、ティーチングコミュニケーション協会代表。
主な著書に、8万部を突破した『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー)、『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)など。



