明治・法政に続く「立教の系列化」は誤報?激変するMARCH入試と「付属・系列・連携」を解説

立教大学と横浜女学院の連携で話題の「系列校化」は誤解? 青山学院の事例や近年のMARCH系列化ラッシュを背景に、「連携校」「系列校」「付属校」の違いを分かりやすく解説します。(画像出典:PIXTA)

立教大学(画像出典:PIXTA)
横浜女学院との連携を発表した立教大学(画像出典:PIXTA)
立教大学が横浜女学院と連携を始める……。これは事実ですが、なぜか、「横浜女学院が立教の系列校になる」という間違った情報が拡散されました。塾関係者も「横浜女学院が立教の系列校になるなら受験させたい、と保護者から相談が増えた」と話します。

実際には、立教がプロテスタント教育を行う学校と連携を始める「キリスト教教育連携校」制度を発足させ、まずは横浜女学院と、酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校(北海道)との連携が決まりました。

さて、なぜ横浜女学院が立教の系列校になるという情報が広がったのでしょう。それは「連携校」と「系列化」の違いがあまり知られていないからではないでしょうか。これに加えて「付属校」もあり、少し複雑です。

そこで今回は、大学の「連携校」と「系列校」、そして「付属校」の違いについて解説します。

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青山学院に見る「付属校」「系属校(系列校)」「教育提携校」の違い

この連携校と系列校の違いについて、青山学院が公式Webサイトで触れています。

「系属校(系列校)」は浦和ルーテル学院中学校・高等学校、青山学院横浜英和中学高等学校。系属校は、「生徒が青山学院大学への進学を希望する場合、条件があえば入学を認める」という旨が書かれています。青山学院横浜英和は7割の生徒が青山学院大学に進学し、四谷大塚偏差値57と難易度も高いです。

ここで「渋谷区にある青山学院中等部・高等部は?」と思う読者もおられるでしょう。中学受験の難関校で四谷大塚偏差値61。高等部は大学と同じ法人の付属校です。生徒の85%が青山学院大学へ進学します。

では、「教育提携校」とはどんな学校を指すのでしょう?

青山学院の公式Webサイトで紹介される連携校は、横須賀学院中学高等学校、静岡英和女学院中学校・高等学校、草苑保育専門学校、遺愛女子中学校・高等学校、活水学院、山梨英和学院、東奥義塾、弘前学院。これらの学校との教育提携の協定は、「ミッションであるキリスト教教育の一層の充実及び発展、並びに中等教育と高等教育の連携強化を図ること」を目的としているとのことです。

要はキリスト教教育に基づいた同じ理念を持つ学校同士が連携するというものです。横須賀学院は青山学院への推薦の枠が35名分、静岡英和女学院は指定校推薦が8名。評定平均値が高い生徒が指定校推薦に出願することができる形と推測できます。

「青学が横須賀学院と連携を発表した時も、『横須賀学院が系列校になる』という誤解が広がりました」(塾関係者)

なぜ誤解が広まったのか? MARCHの系列化ラッシュと横浜女学院の真相

今回、立教大学が連携制度を発表すると、「横浜女学院が系列校になる」と誤解されたのは、ここ最近、MARCH群の大学が高校を系列校にしたことが話題になったからではないでしょうか。

法政大学が2027年4月に東京家政学院中学校・高等学校を系列校にし、法政大学千代田三番町中学校・高等学校と名前を変えると発表しました。明治大学は2026年4月に日本学園中学校・高等学校を明治大学付属世田谷中学校・高等学校として系列化しました。

これらの系列化のニュースが相次いだため、立教が横浜女学院と連携するという発表があると「系列校になる」と誤解した保護者が多かったことが考えられます。

横浜女学院は横浜の伝統ある女子校で、他の大学との信頼関係を築いているため、立教大学以外にもそうそうたる難関校の指定校推薦があります。

同校の公式Webサイトを見ると、横浜市立大学、上智大学、国際基督教大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、成蹊大学、武蔵大学などの名だたる大学の指定校推薦が紹介されています。

青山学院大学は「キリスト教学校教育同盟推薦」を含むので12名、成城大学は高大連携型推薦で12名、東京女子大学も高大連携型推薦で25名。要は、すでに他の大学とも連携し、推薦で大学に進学する学生が多いのです。

横浜女学院の2月1日の四谷大塚偏差値は国際教養クラスが42、アカデミークラスが39。そのため、インフルエンサーが「偏差値が特別高くない学校でこんなに指定校推薦があるのはおトクすぎる」とSNSへ投稿もしていますが、これは大きな誤解です。

なぜ、横浜女学院にこれだけの指定校推薦が来るのかといえば、学力・人格ともに優れた生徒を毎年、大学に送り出し続けているからです。

「学校が自信を持って推薦できる学力も人格も優秀な生徒」の枠に入ることはそう簡単ではありません。一般選抜に比べて「楽でおトク」なんてことはないのです。

実際、立教大学入学センターの原正福課長はこういいます。

「長年、横浜女学院から指定校推薦で入学してくる学生のパフォーマンスも分析し、高校側との信頼関係の上で、さらに連携を深めようということになりました」

今回は私立大学の「付属校」「系属校(系列校)」「連携校」の違いについて言及しました。横浜女学院は指定校推薦で優秀な学生を送り出し続けているがゆえに、いくつもの大学との連携がある。そこに立教大学との連携が加わったということが分かります。

次回は立教大学が新たにはじめる「キリスト教教育連携校」制度がどういったものなのかを掘り下げたいと思います。
大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法
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杉浦 由美子
この記事の執筆者: 杉浦 由美子
ノンフィクションライター
キャリア20年の記者。『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。 ...続きを読む
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