今回の4DXでここが物足りないかも?
反面、今回の4DXでやや物足りなかったことは、作品の特性上仕方のないこととはいえ、演出のバリエーションがやや少ないことでしょうか。前述したように「雨」「雪」「バブル(シャボン玉)」の演出は今回はありませんし、バイクアクション以外ではシリーズの新基軸となるアイデアはそれほどありません。また、物語上では、キャラクターの複雑な関係性や推理要素が理路整然と示されている一方、やはりその「説明」に多くの時間を割いているため、物語が停滞している印象も少なからずありました。予告編での時点で明かされていた「蘭がさらわれる」展開もほとんど「ノルマ」のように用意された強引な展開に思えました。ツッコミどころもまた劇場版コナンのお約束とはいえ、もう少しスマートにできなかったのかな、と思う部分はあります。
その上で、アクションのツッコミどころは、千速のカッコ良さに「上書き」されますし、やはり一周回って楽しい領域になっていると思います。「白バイは高速道路の壁を走れる」「ガードレールは基本的にジャンプ台になる」「千速は交通違反をしまくりだし始末書じゃすまないだろ」「クライマックスでコナンが『止めるにはもうこれしかないよ!』と言う手段が本当にムチャすぎる」みたいなことは、多くの人が「許す」となるのではないでしょうか(※感じ方には個人差があります)。
さらに、クライマックスでのラブコメのための展開も、「それは物理的に無理があるぞ」と一瞬は思ってしまったのですが、それができてしまうキャラクターの「度量」と、その直後のニヤニヤが止まらないやり取りのおかげで、「劇場版コナンはこういうところがいいな」とやはり肯定できたのです。ムチャさやツッコミどころもやっぱり魅力であり、それを底上げする4DXを盛って、ぜひ楽しんでください。
この記事の執筆者:
ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。
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