(質問)
毎朝ラジオ体操、社訓の読み上げがある会社から内定をもらいました。入社するか悩んでいます。
(回答)
朝のラジオ体操や社訓の読み上げなどの、文化に戸惑う人もいるでしょう。しかし、こうした文化があるからといって、すぐにその会社を「古くさい会社」と決めつける必要はありません。大切なのは、あなた自身の望むキャリアや、働き方がかなえられるかという点です。
詳しくは以下で解説します。
独自の文化から「会社の余裕や考え方」が見えてくる
ラジオ体操や社訓の唱和といった習慣は、自由な社風の企業が増えた現代では、少し戸惑いを感じてしまうかもしれません。しかし、少し見方を変えてみると、そこには会社のポジティブな側面が隠れていることもあります。例えば、全社員で同じ時間を共有できるということは、それだけ会社側に「時間的・資金的な余裕」がある証拠です。また、社員の健康や企業理念の浸透にコストをかける姿勢は、組織の結束力を重視し、全員で同じ方向を向いて進もうとする意思の表れでもあります。
独自の習慣が、仕事へのスイッチになることも
こうした文化は、業界の特性とも深く結びついています。製造業や金融業のように規律や安全、正確性を重んじる場では、こうした共通の習慣が仕事へのスイッチとなり、信頼関係の土台となっていることが少なくありません。一方で、Web系企業のようにスピードと個人の裁量を重視する職場では、こうした共通の習慣は敬遠される傾向にあります。まずは、その習慣が自分にどのような影響を与えるかを冷静に見つめてみてください。「お給料の範囲内で健康管理ができている」と捉えることもできれば、「チーム全員で足並みをそろえ、仕事の目的を再確認するための時間」として活用することも可能です。このように、その文化がよいか悪いかを判断する前に、その背景にある「その会社の個性」をどう捉えるかが、今の悩みから抜け出すヒントになるでしょう。
転職活動中に「自分に合う職場か」を確かめるには
社風や職場の雰囲気は、求人票の文字だけではなかなか伝わってこないものです。面接で質問する際は、「御社の社風はどうですか?」とざっくり聞くのではなく、以下のように具体的なエピソードを引き出す聞き方を意識してみてください。・「職場の雰囲気が伝わるような、普段の何気ない日常の風景を教えていただけますか?」
→具体的なエピソードを聞くことで、相手の回答から実際の空気感が浮かび上がってきます。
・「前の職場では休日も職場のメンバーと飲みに行く習慣がありましたが、御社では仕事以外の時間はどのように過ごされていますか?」
→プライベートと仕事の境界線をどのように考えているか、自然に確認することができます。
・「中途入社の人が、最初は驚くような『御社ならではのルールや習慣』はありますか?」
→入社した人が感じるリアルな特徴を知ることで、自分にとってのなじみやすさを判断しやすくなります。
さらに、「カジュアル面談(選考ではなく、現場の社員とざっくばらんに話ができる機会)」などの場を積極的に活用してみるのも1つの手です。選考という場を離れて、実際に働く人の話し方や社員同士のやりとりを直接見ることで「ここならなじめそう」「自分には合わないかも」を直観的に感じられるはずです。このように直接話して感じた『リアルな感触』こそが、年収などの条件だけでは分からない、自分に合う職場を見極めるための大切なヒントになります。
求人原稿から「職場のリアル」を読み解くコツ
とはいえ、いきなり現場の人と話す「カジュアル面談」に申し込むのは、少しハードルが高いという人もいるかもしれません。また、気になる全ての企業と会う時間を確保するのも大変ですよね。そんな人におすすめしたいのは、普段見ている求人ページの中から、自分に合う会社かどうかを見極める方法です。特に求人ページに掲載されている「写真」は、その会社の雰囲気を知るための大切な情報源です。社員の服装やオフィスの様子、集合写真での表情や距離感を見て、「自分と似たタイプの人が楽しそうに働いているか」を想像してみてください。
また、求人原稿の「求める人物像」や「仕事に向いている人・向いていない人」という項目には、会社の本音が詰まっています。そこに書かれている言葉に共感できたり、自分の性格に合っていると感じたりする場合は、入社した後に後悔するリスクを減らせるはずです。まずは手元にある情報から、自分がその職場のメンバーとして働いている姿を具体的にイメージしてみることから始めてみてください。
自分にとって何が大切なのかを見直す
納得のいくキャリアを選ぶために、最後に忘れてはいけないのが、「そもそもなぜ転職しようと思ったのか」という原点です。年収や休日、仕事内容、そして社風。全ての希望が100点満点の会社を見つけるのは、簡単ではありません。だからこそ、「これだけは譲れない」という1番の目的については、妥協せずに追求してください。もしその目的がかなうのであれば、ラジオ体操や社訓の読み上げのような習慣も、「組織の一員としてのちょっとした決まりごと」として受け入れられるようになるかもしれません。
自分にとって何が1番大切なのか、その優先順位をしっかりと持っておくことが、迷ったときの道しるべになります。
この記事の執筆者:
三ツ橋 りさ
『type』編集長
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Woman type』の編集を経て、転職サイト『女の転職type(旧・女の転職@type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年04月~15年12月まで『女の転職type(旧・女の転職@type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『type(旧・@type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月からtype編集長に就任し現在に至る。 type■https://type.jp/ 女の転職type■https://woman-type.jp/
...続きを読む



