そうなってくると、保護者や受験生の間で「これからの大学受験はどうなるか分からない」という不安が広がり、早めに進学先を確保できる大学付属校の人気が高まっています。
一方で、「付属校に進学させると、かえって将来の選択肢を狭めてしまうのではないか」と危惧する声も根強くあります。
中学で早慶MARCHを確保するのは「守り」か、それとも「逃げ」か
ある中学受験生の保護者は、複雑な心境をこう漏らします。「早慶やMARCHの付属に入ってくれれば、私は安心できます。でも、中学入学の段階で進路を固めてしまっていいのかという葛藤もあります。息子はまだ『ママが決めて』と言うほど幼い。
私や夫の意向で付属校へ進学させて、もし高校生になってやりたいことが見つかったとき、系列大学にその学部がなかったら……。親の安心と引き換えに、子どもの可能性を狭めてしまう可能性があるようにも思えます」
こうした「付属校=出口が限定される」という懸念は、果たして本当なのでしょうか。最新の内部進学事情から、その実態を探ります。
「付属校なら勉強しないでいいと思ったのに」と嘆く新入生
「付属校に入学したら勉強しなくていいと思って中学受験を頑張ったのに、だまされた!」付属校の新入生からよく聞かれるこの嘆き。しかし、現実は甘くありません。ある難関大付属校では、入学式早々、こう告げられます。
「1日2時間は勉強するように宿題を出します。高校受験で入学してくる生徒たちと同じ学力にしていきます」
これは実は複数の学校で聞かされる宣告です。そして、高校入学時には「大学へ一般選抜でも合格できる学力にしていきます」と言われます。
このように、今どきの付属校は勉強をしっかりさせる方針が主流になっています。なぜ、このように「しっかり勉強させる」ようになったのでしょうか。背景の1つは、大学側のニーズです。
ある大学の入試担当者はこう語ります。
「一般選抜、指定校推薦、総合型選抜、系列の高校からの内部推薦。全ての入試形式で同じ学力の学生を入学させるのが理想」
これは全ての大学が考えていることです。私立大学のみならず、難関国立大学の総合型選抜ともなれば、一般選抜以上の深い思考力や高度な学力を要求されるケースも珍しくありません。
早稲田大学では、政治経済学部など複数の学部が内部進学の基準にTOEFLなど英語外部試験スコアの取得を義務づけるなど、推薦基準のハードルも上がっています。
かつて、付属校が勉強をさせるのは、「生き残りのために進学校としても機能するようにする」ことが目的でした。しかし今や、大学と付属校が一体となって学力水準を維持する体制が整いつつあります。



