先生たちが必ずチェックする3つの重要項目
具体的にどのような項目によって分けられているかというと、まずは「学力」「運動能力」、そして「リーダー性(積極性)」の3つです。学力や運動能力は言うまでもありませんが、リーダー性も大事な要素です。どの子どもにもバランスよく活躍の機会があるように、子どもたちの性格を見極めてクラス分けを行います。
そのほか、子ども同士の人間関係、特別な支援を必要としているかどうか、男女比、家庭状況、外国籍、アレルギー事情、習い事、名字のバランスなどを加味してクラスを決定します。
それぞれの項目に意味がありますが、例えば「アレルギー」であれば、万が一の際に迅速かつ確実に対応できるよう、特定のアレルギーがある子どもが1つのクラスに偏らないようにします。
また、「習い事」であれば、交友関係を広げてもらうために同じ習い事の子どもばかり集まらないようにする、などの配慮もあります。
そのほか、同じ名字の子ばかり集まると子どもも教師も混乱してしまうため、程よく分散させるのも、学校生活をスムーズに進めるためのちょっとした工夫です。
クラス分けが意味する「学校側が期待すること」
クラス分けで考慮する項目は複数ありますが、私が特に重視する項目を挙げるとするならば、「学力」と「子ども同士の人間関係」です。学力は、学年団のどの先生がどのクラスをもっても授業を円滑に進められるように、偏りなく分ける必要があります。
人間関係は、前年度までのトラブルの内容や状況を前任の担任からしっかりと引き継いだ上で、クラスをどのように分けるか判断をします。
クラス替えは、人間関係にトラブルがあった子どもたちにとって「リセット」できるチャンス。全ての子どもたちがよいスタートを切れるように、教師は最後まで慎重に協議します。
逆に、仲がよ過ぎる子どもたちをあえて別クラスに分けることもあります。
仲がよいことは悪いことではありませんが、あまり親密過ぎるとほかの子どもたちがその輪に入り込めないというケースもあります。
学校としては、いろいろな友達と関わることによって人間関係を広げてほしいので、あえてクラスを分ける判断をすることも珍しくありません。
ちなみに、ここまで話したのはクラス替えがあるケースですが、6年間同じメンバーのクラスで過ごす小規模校も各地にいくつもあります。
こうした学校はクラス替えによる心機一転はできないものの、集団としての関係性を6年間かけてじっくり醸成していくので、温かい雰囲気のクラスが多いように思います。互いのことをよく知り、理解し合っているので、教師のほうが子どもたちに教えてもらうことも多いですね。 松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊『がっこうとコロナ』(教育報道出版社)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者:大塚 ようこ
子ども向け雑誌や教育専門誌の編集、ベビー用品メーカーでの広報を経てフリーランス編集・ライターに。子育てや教育のトレンド、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。



