長い休みで日常から距離を置いたからこそ、職場の人間関係や仕事への違和感、将来への不安が、以前よりはっきり見えてくることも。けれど、その「辞めたい」は本当に今、決断すべきサインなのでしょうか。それとも、休み明け特有の揺らぎにすぎないのでしょうか。
本記事では、『転職・退職を考えたら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)から一部抜粋し、退職理由の背景や「辞めたくなる時期」に注目しながら、後悔しない選択をするための考え方を整理していきます。
なぜ「人間関係」が1位なのか? 待遇不満より深刻な“終わらないストレス”
どの時代のどの年齢の調査でも、辞める理由として多く挙がるのが「待遇」「仕事内容」「人間関係」の3つです。中でも「人間関係」は、若い世代の退職理由の1位となっています。給料が低い、休みが取れないといった待遇の不満、あるいはやりがいが感じられないといった仕事内容の不満だって、当事者にとっては切実な問題です。ただそれらは、仕事をしながらときどき思い出したり、ふとやりきれない気持ちになったりするものではないでしょうか。
ところが、上司がこわいとか職場がギスギスしているといった人間関係のあつれきは、いつも周囲に漂っていて心をおびやかします。常に感じ続けている痛みという点で、とてもリアルなストレスです。
一方で、やる気のある人の場合は「いい会社なんだけれど、このままでは自分が成長する気がしない」「もっと厳しく指導して鍛えてほしかった」などの理由で退職するケースがあります。
多くは都市部の優良企業、大企業に勤める人ですが、将来のキャリアを考えると物足りないという不満が、退職の引き金になっています。
その「辞めたい」は本心か? 連休明けに陥りやすい“脳の錯覚”
このまま会社にいようか、それとも辞めようか。どちらを選んでもそれなりに大変で、心を決めるのはなかなかむずかしいものです。ただ、その迷いはもしかしたら一時的なものかもしれません。仕事内容や職場の環境に関係なく、辞めたくなるタイミングがあるからです。
たとえばボーナスが出た後。まとまったお金を手にすることで、辞めてもなんとかやっていけるような気になります。あるいはGWなどの長い休みの後。夏休み明けに学校に行くのがおっくうになるのと同じで、気持ちが仕事にシフトしにくくなるのです。
不安や孤独を感じるできごとも、辞めたい気分のスイッチが入るきっかけになることがあります。幼なじみが地元に戻って結婚したなんていう話を聞くと、ふとUターンが頭に思い浮かびます。転職して大満足の友人を見ると、「自分はこのままでいいのか」と心が揺れたりもします。
なんとなく心細くなって、何かことを起こしたくなるタイミングはあるものです。少し時間をおいて、本当に辞めたいのかどうかを冷静に考えてみましょう。



