慎重すぎる子は、状況を読む力のある子
公園の遊具の前で、固まってしまう。新しい習い事やお友達の輪に、なかなか入っていけない。
そんな子どももいます。
動く前に立ち止まって想像できるのは、危険を避け、自分を守るための大切な力。慎重な子は状況を観察し、人の様子を丁寧に読み取る力に恵まれています。
一歩目はゆっくりでも、じっくり見てから動くので、覚えたことは確実に身につきやすい。そこには「丁寧さ」や「責任感」も隠れています。
大人が心がけたいのは立ち止まる姿を急かさず、「やってみても大丈夫」と、本人が納得できるまで見守ること。慎重である自分を尊重された子は、冷静に周囲を見渡し、安心と安全を大切にできる人へと育っていきます。
解説:わが子の行動すべてに「理由」がある
子どもの行動を見て、つい「どうしてこんなことをするの?」と思ってしまう。でも、モンテッソーリ教育では、その行動を止めるよりも、まず「なぜそうしたのか」を見ようとします。叩くのは、相手と関わりたいから。泣くのは、気持ちが追いつかないから。反発するのは、「自分で決めたい」という意志が芽生えているから。どんな行動にも、必ずその子なりの理由があります。
モンテッソーリは、子どもを“できない存在”ではなく、“成長の途中にある生命”として見つめました。だから、目の前の行動を「問題」としてではなく、「発達のサイン」として受け取ります。
そして何より大切なのは、子どもの「気持ち」と「意志」を受け取ること。「やりたい」「自分でやる」と言えるのは、子どもが自立に向かおうとしている証。その気持ちを尊重してあげてください。
うまくいかなくても、その挑戦をくり返すことで、子どもは「自分にはできる」という感覚を育て自立に向かって力強く進んでいきます。
そして最後に、大人の私たちができるのは、信じて待つこと。
子どもを信頼するというのは、「きっとできるはず」と結果を期待することではありません。「この子の中に成長の力がある」と信じて、見守ること。
大人のまなざしが穏やかであるほど、子どもの中にも静かな安心が広がっていきます。 この書籍の執筆者:丘山亜未 プロフィール
株式会社kototo代表。モンテッソーリ幼児教室「ちいさないす」とモンテッソーリの学びを広げる教育事業「kototo Montessori Life」を主宰し、2万5,000組以上の親子を支援する。著書に『子どもの才能を伸ばす5歳までの魔法の「おしごと」』、『0~7歳 モンテッソーリ教育が教えてくれた子どもの心を強くする10のタイミング』(どちらも青春出版社刊)。



