手がかかる子ほど“人を惹きつける”大人になる。モンテッソーリ講師が教える「才能の伸ばし方」

怒りっぽい子は「情熱的」、甘えん坊は「人とのつながりを大切にする子」。モンテッソーリ流の解釈を知れば、子どもの短所は“強み”に変わります。言葉にならない子どもの気持ちを“翻訳”して紹介します。(画像出典:PIXTA)

慎重すぎる子は、状況を読む力のある子

公園の遊具の前で、固まってしまう。
 
新しい習い事やお友達の輪に、なかなか入っていけない。
 
そんな子どももいます。
 
動く前に立ち止まって想像できるのは、危険を避け、自分を守るための大切な力。慎重な子は状況を観察し、人の様子を丁寧に読み取る力に恵まれています。
 
一歩目はゆっくりでも、じっくり見てから動くので、覚えたことは確実に身につきやすい。そこには「丁寧さ」や「責任感」も隠れています。
 
大人が心がけたいのは立ち止まる姿を急かさず、「やってみても大丈夫」と、本人が納得できるまで見守ること。慎重である自分を尊重された子は、冷静に周囲を見渡し、安心と安全を大切にできる人へと育っていきます。

解説:わが子の行動すべてに「理由」がある

子どもの行動を見て、つい「どうしてこんなことをするの?」と思ってしまう。でも、モンテッソーリ教育では、その行動を止めるよりも、まず「なぜそうしたのか」を見ようとします。
 
叩くのは、相手と関わりたいから。泣くのは、気持ちが追いつかないから。反発するのは、「自分で決めたい」という意志が芽生えているから。どんな行動にも、必ずその子なりの理由があります。
 
モンテッソーリは、子どもを“できない存在”ではなく、“成長の途中にある生命”として見つめました。だから、目の前の行動を「問題」としてではなく、「発達のサイン」として受け取ります。
 
そして何より大切なのは、子どもの「気持ち」と「意志」を受け取ること。「やりたい」「自分でやる」と言えるのは、子どもが自立に向かおうとしている証。その気持ちを尊重してあげてください。
 
うまくいかなくても、その挑戦をくり返すことで、子どもは「自分にはできる」という感覚を育て自立に向かって力強く進んでいきます。
 
そして最後に、大人の私たちができるのは、信じて待つこと。
 
子どもを信頼するというのは、「きっとできるはず」と結果を期待することではありません。「この子の中に成長の力がある」と信じて、見守ること。
 
大人のまなざしが穏やかであるほど、子どもの中にも静かな安心が広がっていきます。
1分だけ子どもを待ってみる モンテッソーリ流 子どもの才能を伸ばす100の小さなこと
1分だけ子どもを待ってみる モンテッソーリ流 子どもの才能を伸ばす100の小さなこと
最初から読む
この書籍の執筆者:丘山亜未 プロフィール
株式会社kototo代表。モンテッソーリ幼児教室「ちいさないす」とモンテッソーリの学びを広げる教育事業「kototo Montessori Life」を主宰し、2万5,000組以上の親子を支援する。著書に『子どもの才能を伸ばす5歳までの魔法の「おしごと」』、『0~7歳 モンテッソーリ教育が教えてくれた子どもの心を強くする10のタイミング』(どちらも青春出版社刊)。
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • どうする学校?どうなの保護者?

    「まだ体育館で軟禁されてるの?」役員決めを廃止したPTA、保護者と先生が手にした“穏やかな春”

  • ヒナタカの雑食系映画論

    映画『鬼の花嫁』で永瀬廉が体現する「俺様ではない魅力」とは。『シンデレラ』的物語へのアンチテーゼも

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    江ノ電20年ぶり新車、謎の「1人掛け席」の正体は? 観光サービスではなく「混雑地獄」に挑む苦肉の策

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「移民」に冷たいのはどっちなのか? スイスの厳格過ぎる学歴選別と、日本の曖昧過ぎる外国人政策