「テレビドラマで少年法に興味を持った」のでは弱い
このため、志望理由書では、「どんなきっかけで興味を持ったのか」「そこからどんな行動や考えをしたのか」を具体的に丁寧に書くことが重要です。一例として、ある生徒がテレビドラマを見て少年法に興味を持ったが、それだけでは説得力が足りないため、「アルバイトでの具体的な経験を通じて少年法についての関心を深めた」というエピソードを志望理由書に書き加えたケースがあります。
こうしたストーリーの深掘りが「AIには出せない個性」を形成します。
総じて、AIの発達によって「文章力」はある程度平準化した今、より重要なのは「自分の考えを深める力」「調べる力」「経験を解釈する力」です。
志望理由書を書く際は、表面的な説明にとどまらず、自分の思考の跡をしっかりと示す意識を持ちましょう。
今回は推薦入試で重視される志望理由書への要求が高くなっていることについて書きました。AIに志望理由書を書かせることができる今、大学側は「受験生本人が書いたのか」ということを吟味します。そのため、志望理由を書くに至った経緯をしっかりと書く必要が強まっています。
次回は、その志望理由書に説得力を持たせるために有効なツールとしての「活動実績」について言及します。 この記事の執筆者:杉浦 由美子 プロフィール
キャリア20年の記者。『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。



