【万博】行列は不可避でも……意外と「入場しやすいパビリオン」、要注意の「数時間待ちパビリオン」

大阪・関西万博は閉幕前「駆け込み」で混雑。パビリオン入場も待ち時間は避けられない状況だが、行列の割に「早く入れる館」と「時間がかかる館」がある。万博に19回行った旅のプロが「行列」攻略法を紹介!

閉幕まで1カ月を切り、大混雑の大阪・関西万博(画像は筆者撮影、以下同)
閉幕まで1カ月を切り、大混雑の大阪・関西万博(画像は筆者撮影、以下同)
大阪・関西万博は、10月13日の閉幕を前に「駆け込み」需要もあって休日のみならず平日も大混雑。パビリオンはどこも長い列ができており、入場まで何時間も待つ羽目になることも。

そして実は、行列が長くても「意外と早く入場できる」パビリオンと、逆に「時間がかかる」パビリオンがある。万博に19回訪れた旅行ジャーナリストでAll Aboutガイドの筆者が、「時間ロス」を減らすためのパビリオン攻略テクニックを紹介する。

「行列でも入場しやすい」パビリオンの共通点

パビリオンは、館内でショーや映像などを鑑賞する「入れ替え制」と、館内の空き具合によって随時入場・展示見学可能な「ウォークスルー型」に大きく二分される。列の進みが早いのは、後者の「ウォークスルー型」だ。

意外と早く入場できるパビリオン一覧

UAE(アラブ首長国連邦)/フランス/トルクメニスタン/スペイン/マレーシア/インドネシア/シンガポール/中国/サウジアラビア/オーストラリア/アンゴラ/北欧/インド/ベトナム/コモンズ/未来の都市など

例えば【UAE(アラブ首長国連邦)】は、日中の大混雑時も並ばずに入場できる。そのため、「UAEで入場待ちが長いと(万博の混雑が)本当にやばい」とも言われる。屋内展示なので、雨が降っている際や暑い時などに重宝する。

【フランス】は人気パビリオンの1つで、行列が大屋根リングの下まで達していることも。隣りのアメリカ館と比べると列の進みは早いが、あまりに行列が長い時は、列に並ぶための「整理券」を事前に入手する必要があるので注意したい。
夜のフランス館。通常21時ごろまで入場できるが、そのずっと前に並んで待つ必要がある
夜のフランス館。通常21時ごろまで入場できるが、行列覚悟
【トルクメニスタン】は、世界でも非常に入国が難しい国の1つのため、興味を持つ人も多い。外観も素晴らしく、館内でも映像や展示物など異国情緒たっぷりで満足度も高いパビリオンだ。

【インドネシア】は、テレビ番組で紹介されて話題となったパビリオンで、スタッフによる呼び込みが楽しいうえ、無料でコーヒーが配布されることも。館内もジャングルや伝統工芸の展示、さらに映像紹介などもあって充実している。

【サウジアラビア】は、次回2030年リヤド万博の開催地なだけあり、パビリオンの建物や展示、レストランやカフェ、ショップも充実しており、意外と列はサクサク進む。
サウジアラビア館の行列は大屋根リングの下なので、雨や暑さもしのげる
サウジアラビア館の行列は大屋根リングの下なので、雨や暑さもしのげる
そのほか、世界各国がブースで出展する共同パビリオン【コモンズ】はいくつかあり、最も入場しやすい。館内にあるトイレも、ついでに利用するのに便利だ。
共同パビリオン「コモンズ」も最近、入館規制で入れないことが増えている
共同パビリオン「コモンズ」も、最近では入館規制で入れないことが増えている
さらに、人が比較的少なめの西エリアにある【未来の都市】やキャパシティーが大きい【飯田グループ&大阪公立大学】は、事前予約・当日予約ともに比較的取りやすく並べば入場できる“穴場パビリオン”なので、頭の片隅に入れておきたい。  
「未来の都市」は、人が少なめの西エリアにある“穴場”パビリオン
「未来の都市」は、人が少なめの西エリアにある“穴場”パビリオン

「行列がなかなか進まない」要注意パビリオンは……

一方、行列はそれほど長くなくても、入場に時間がかかる主なパビリオンは以下の通り。

行列が進まない要注意パビリオン一覧

ルクセンブルク/ルーマニア/クウェート/ブルガリア/ウズベキスタン/英国など

ヨーロッパにある小国【ルクセンブルク】のパビリオンは、館内で自国の観光や風景、産業などを映像や展示で紹介する。ただ1回につき数十人ごとの入場となり一度に入場できる人数が限られているため、待ち時間が非常に長くなる。どうしても訪れたい場合は、朝イチの時間帯が比較的空いているのでおすすめだ。
行列がなかなか進まないルクセンブルク館では、待ち時間が長めになる
ルクセンブルク館は、待ち時間が長め
【ルーマニア】【ブルガリア】も毎回数十人ごとに入場する方式なので、自分の前で列が止められると、しばらく待つ必要がある。

【クウェート】は人気のパビリオンで、朝早く並んでも20~30分ほど、日中は数時間待ちで、行列が長くなると列にも並べない「行列規制」がよく実施される。規制解除のタイミングを狙って周囲で待機する人も多い。近くにある【スイス】も同様。なお、行列規制解除をその場で待つことは、公式には認められていない。  
クウェート館は朝イチから行列ができ、日中は並べないことも多い
クウェート館は朝イチから行列ができて、日中は並べないことも多い

人気パビリオンは数時間待ちもザラの大行列

さらに、【イタリア】は入場まで長時間かかることで知られている。展示物のラインアップが他国と一線を画す豪華さで開幕当初から話題となり、行列に並ぶのは当たり前。入場開始直後の9時過ぎでも1~2時間待ち、10時を過ぎると5~6時間待ちになることも珍しくない。

どうしても入場したい場合は、他のパビリオンは諦めて長時間並ぶ覚悟が必要だ。

台湾企業が出展する【TECH WORLD】も、人気が高い。パビリオンに入場すると、数種類あるグッズがもらえるため、通期パスを持つ万博リピーターらがそのグッズをコンプリートしようと何度も訪れている。

パビリオン「○分待ち」表示は時間通りか?

パビリオンごとに「○分待ち」という表示が、入場口によく掲示されている。実際には、表示時間通りか、それよりも短時間で入場できることが多い。とはいえ、閉幕が近づくにつれて来場者数が増え、行列に並ぶことすらできないパビリオンも続出している。
多くのパビリオンの前には「待ち時間」が表示されている
多くのパビリオンの前には「待ち時間」が表示されている
どこもかしこもパビリオンは大行列。近頃はあまりの来場者の多さもあり、「事前予約も全て外れ、当日も予約できず。パビリオンに1つも入場できなかった」という声まで聞かれる。パビリオンの行列は朝イチや夜遅く以外はほぼ避けられないが、待ち時間に「違い」があることは覚えておいて損はない。
シカマ アキ
この記事の執筆者: シカマ アキ
飛行機の旅 ガイド
大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに、取材、執筆、撮影など。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も。 ...続きを読む
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