習い事は学校内で。親の送り迎えは必要なし!
台湾でも、日本と同じように、子どもは学校の放課後教室(課後班)や民間の学童(安親班)を利用し、宿題を見てもらったり遊んだりすることができます。
特徴的なのは、学校内でそのまま参加できる習い事(社團活動)があること。「学校内」と聞くと、日本のように先生が教える部活やクラブを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし台湾では異なり、「外部の専門講師」を招いて行う本格的な習い事なのです。
ただし費用はかかりますが、外で習う場合に比べると4分の1程度に抑えられることも(例:週1回のテコンドー、5カ月で1万円など)。
親にとっては、安価で送り迎えの手間もない上に、子どもにさまざまな経験をさせられるという、いいことずくめの仕組みです。
ポケモンカードに弦楽団? 学校内の習い事が楽しい!
都市部の小学校の校内習い事(社團活動)を実際に見てみると、その種類の多さに驚かされます。
子どもたちに人気のポケモンカードやマジック、さらにマインクラフトを使ったプログラミングやCanvaでの動画制作といった、将来の仕事に役立ちそうなものもあります。
チェロやバイオリン、ウクレレといった音楽系も本格的で、校内に弦楽団を持つ学校もあるほど。K-POPダンスやテコンドー、ローラーブレード、進化版スケートボード(蛇板)といった体を動かすものもバリエーション豊かです。
そのほかにも中華ゴマ(扯鈴)や中国将棋(象棋)といった台湾ならではの内容も目を引きます。
中国将棋はチェスのような戦略性を持つため、本来は難しい遊びですが、こういった活動を通して、多くの子どもが自然と身に付けていきます。
内容充実の学校内習い事ですが、そのぶん競争率は高め。多くは先着順や抽選のシステムをとっており、人気の習い事はあっという間に枠が埋まってしまいます。
もちろん塾や英語教室も定番
学習面を強化したい家庭は、日本の塾にあたる「補習班」に子どもを通わせます。塾といっても、授業時間だけ通うのではなく、子どもは先生やスタッフに学校まで迎えに来てもらい、19時ごろまで勉強を続けるのが一般的。
こういった塾では宿題やテスト対策以外にも、科目ごとの専門授業も受けられます。
英語に特化した補習班も人気で、ネイティブ講師による“全英語レッスン”を行う教室もよく見られます。英語は、小学1年生から必修になっていることもあり、台湾では特に重視されている教科です。そのため、若い世代では流ちょうに英語を話す人が多く見られます。
台湾では中学生になると厳しい受験戦争が始まります。「その時に備えて学習面を強化したい」と考える家庭もあれば、「今のうちに好きなことを自由にやらせたい」と考える家庭も。いずれにしても小学生の放課後は未来につながる大切な時間となっているのです。
(構成協力:伊勢村慈希)



