「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説します。
(今回の質問)
パソコンのWi-Fiは常にオンで問題なし?
(回答)
普段からWi-Fiでネットワークに接続している場合、常にオンにしておくとすぐに接続できて便利です。一方で、「バッテリー駆動時間を1秒でも長くしたい」「セキュリティーが気になる」といった場合はオフの選択肢もあります。
省電力効果は薄い。基本はオンでOK
一般的に普段からWi-FIを使用しているなら、航空機の機内などの使用を禁止されているところ以外では、そのままオンにしておいても特に問題ありません。バッテリー駆動時間を1秒でも延ばしたいなら、使わないときは切ることも多少意味がありますが、最新のWi-Fi機能は十分に省電力化されているので効果は薄いです。画面の明るさを暗くする方が省電力効果は高いといえます。普段Wi-Fiを使っていないならオフにしておけばよいですが、日常的に利用している場合なら、Wi-Fi機能はオンにしたままで問題ありません。
セキュリティー目的でオフにするのが有効な場合も
「バッテリー駆動時間を1秒でも延ばしたい」という理由以外にも、Wi-Fiをオフにした方がいい場合があります。パソコンやスマートフォンなどのWi-Fi機能はネットワークに接続していない間も、定期的に電波を発しています。この機能は「プローブ要求」と言い、Wi-Fiを快適に使うために必要な機能です。しかし気を付けなければならないことがあります。通常、「プローブ要求」を検出することはできませんが、特殊な方法を使うと近くにあるデバイスをトラッキングできてしまうのです。この情報からユーザーが識別され、思わぬ情報が漏れてしまうかもしれません。
これを防ぐのが、OSなどに備わっているMACアドレスをランダム化する機能です。Windowsなら「ランダムなハードウェアアドレス」をオンにすればMACアドレスでのトラッキングができなくなります。しかしそれでも完璧ではなく、他の方法でユーザー情報が漏れてしまうことは十分に考えられます。
以上のことから、セキュリティー目的でWi-Fi機能をオフにすることは有効です。もちろん、Bluetoothも同じように電波を出しているので、トラッキングされることを防ぐにはBluetooth機能もオフにしましょう。とはいえ、Wi-Fi関連のセキュリティーリスクは気にし過ぎるとパソコンが使用しにくくなります。ほどほどに対策し、割り切って使いましょう。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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