では、運営側である学校の先生たちは、当日の朝、一体何をして子どもたちを迎えているのでしょうか?
現役の小学校教師である松本隼司さんに、「先生たちの運動会の日の朝」についてお聞きしました。
(今回の質問)
運動会の日の朝、先生たちは学校でどんな準備をしているのですか?
(回答)
基本的には物品準備や最終の環境整備をしています。前日や当日に雨が降っていると、早朝から出勤してグラウンド整備をしていることも。
当日の天気次第で朝の慌ただしさが変わる
私が働いている自治体の通常の出勤時間は8時です(実際には、子どもたちが登校してくる前に準備が必要なので、8時より少し早く学校に到着しています)。運動会の日にはそれよりも30分〜1時間ほど早く出勤しています。
とはいえ、私のような中堅以上の年齢の教員があまり早く出勤し過ぎると、若手の先生方にプレッシャーを与えてしまうため、最近は以前ほど早い時間には行かなくなりました(笑)。
子どもたちが来る前に何をしているかというと、前日までに用意しておいた用具の配置が主な作業です。
基本的に準備は前日に済ませておくので、当日は体育館に準備した道具をグラウンドに運び出す程度です。
グラウンドのライン引きも、前日までに行う作業です。そのほか、音響機器の最終確認などを行っています。
運動会の前日や当日に雨が降っていなければ、特別な準備作業はほとんどありません。
朝4時からグラウンド整備をすることも……
本当に大変なのは雨が降った時の運動会です。管理職や運動会担当の先生が、朝から開催可否の判断を迫られるのはもちろんですが、それ以外の先生にも重要な任務があります。
それは、グラウンド整備。
前日に雨が降った場合や、土砂降りとなった場合も、開催が決まれば朝からグラウンドにラインを引く必要があります。グラウンドが広いため、朝早くから準備に取りかからなくてはならず、本当に大変です。
最もハードなのは、水たまりができてしまうほどの雨が降った場合の処理です。ひどいときには、朝4時ごろから職員全員でスポンジを使って水たまりを取り除いたこともあります。
甲子園などでスポンジで水を吸い上げているのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、まさにそのイメージです。
そこまでして当日に運動会を決行したいと思うのは、なるべく予備日にずらしたくないという思いからです。
多くの場合、運動会の予備日は平日に設定されており、そうなると運動会を見に来られないという保護者の方も少なくありません。
子どもたちにとっても、運動会は自分の晴れ姿を保護者の方に見ていただける貴重な機会ですから、できる限り予定通りに開催したいというのが教師としての思いです。



