そんな人におすすめなのが、家庭教育コンサルタントの岩田かおりさんが提唱する「天才ノート」。子どもの「好き」を1日わずか数分、ノートに書き留め、探究心を育む習慣づくりのメソッドです。
実際、岩田家の3人の子どもたちは、塾に通わずに慶應義塾大学への進学や、経団連派遣のUWC奨学生に選ばれるなど、それぞれの道で探究力を発揮しました。その基礎となったのが、この「天才ノート」だったのです。
今回は岩田さんの著書『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』から、自由研究が楽になる秘訣と、子どもの探究心を加速させる「プレゼンテーション」の活用法をご紹介します。来年の夏休みは、きっと親子で楽しい探究の時間になるはずです。
「天才ノート」で自由研究の悩みが消える理由
「天才ノート」とは、子どもの興味や関心を毎日少しずつノートに書き留める習慣です。たとえば「好きなポケモンを3つ書く」「最強だと思う虫を描く」など、子どもの「好き」をテーマに1日数分取り組みます。親は花丸をつけて褒めるだけでOKです。この簡単な習慣を続けていくことで、子どもは身近なことに興味を持ち、それを深く調べることに慣れていきます。夏休みの自由研究も、その延長として自然に取り組めるようになるのです。
わが家の長男は夏休みに「電球は切れるもの。では、信号の電球は誰が替えているのか」を調査してまとめていました。
長男に「ママ、信号の電球は誰が替えているの?」と尋ねられたけれど、わからない。さらに言うと、どんな結論だったのかも覚えていない(笑)。
つまり、子どもが勝手に本を調べたり学校の先生に聞いたりしてまとめていました。
毎年「今年の夏休みの自由研究は何をさせようか……」と悩んでいる保護者に出会いますが、「天才ノート」を続けていれば迷うことはなくなります。
「天才ノート」で掘り下げているテーマを提出してもいいですし、子どもが自分の興味に合わせて調べたりまとめたりすることに慣れてくるので、新たに湧いた興味に沿って挑戦してみてもいいでしょう。
探究心は「プレゼンテーション」で加速する
自分の興味のあることや調べたことを発表するプレゼンテーションも探究を継続するモチベーションになります。最近では、パワーポイントやCANVA(キャンバ)などで探究内容をまとめている子どもたちもいます。小学校でも、プレゼンテーション資料をつくる課題が出されることが増えてきました。
私の講座では、月に1回、子どもたちが探究学習の成果を発表できる機会を設けています。そこでは「天才ノート」でアウトプットしてもいいですし、スライド資料を投影して発表してもOKです。どちらのほうがいいというわけではなく、子どもがやりたい方法を選んでいます。
デジタルツールで発表資料をつくることをおもしろがる子どもは比較的多いようで、低学年の段階から親に質問しながら取り組む子もいます。
最近では、「集中力を出すためのポイントは?」と聞き手に問いかけながら発表し、最後に自分の調べた探究学習の内容を披露する子もいました。
他にも、「すいか・りんご・さくらんぼ」などのイラストを並べて「どれが野菜でしょう?」とクイズを出す子もいます。好きなアニメのキャラクターについて延々と語っている子もいます。
自分の探究した内容を誰かに見てもらい、親以外の人の承認をもらえることで、次なる探究のモチベーションにつながっていきます。
ご家庭でも、子どもの探究学習の成果をプレゼンテーションする機会を設けるのはおすすめです。
たとえば、子どもの誕生日パーティーをするときに「今、好きなものをとことんプレゼンテーションしてみよう」や、「敬老の日にはおばあちゃん/おじいちゃんの趣味・好きなものについてとことん調べて教えてあげよう」など、イベントに紐づけながら取り組んでみてください。
ただ、あくまでも子どもが好きなものを探究する機会をつくることが大事なので、無理やりプレゼンテーションをさせる必要はありません。
日常的にこういった探究活動をしていると、小学校での探究学習や学習発表などに抵抗感なく自然に取り組めるというメリットもありますよ。
まずは今日から、子どもの「好き」を5分間聞いてみることから始めてみませんか? 岩田かおりさん プロフィール
家庭教育コンサルタント/株式会社ママプロジェクトJapan代表/全国ワーキングマザーの会副代表。幼児教室勤務を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の思いから、独自の教育法を開発。ガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。3人(1男2女)のママ。最新刊『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。



